2009
09.01

「レセ・パセ 自由への通行許可証」

レセ・パセ[自由への通行許可証] [DVD]レセ・パセ[自由への通行許可証] [DVD]
(2006/04/28)
ジャック・ガンブランドゥニ・ポダリデス

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第二次世界大戦下、ナチスドイツ支配下のフランス・パリの映画界。

人気脚本家ジャン・オーランシュは、ドイツ資本の映画会社からの仕事の誘いに苦い思いを抱いていた。
支配されるのも嫌だけど、収容所も厭だ・・、ペンとインクで立ち向かおうとする彼だけれど、生活に困窮する仲間を見捨てるわけにもいかず、ついにはコンティナンタル社の仕事を引き受けることに。


一方、レジスタンス活動のために、あえて敵の懐に飛び込め・・とコンティナンタル社に雇われ助監督として腕を振るうジャン・ドヴェーヴィル。
仲間たちが捕らえられてゆく中、彼自身の活動も危険を帯びてゆく・・。


生き方は違えども、映画を愛し、自由を求める二人のジャンの姿・・、史実に基づくドラマティックなエピソードが織りなす中、浮かび上がってくる・・混沌としたこの時代の映画界の姿・・。
興味深いシーンも多く、そして何より二人のジャンがとても魅力的でした。



あぁ・・もったいない。
何がもったいないかって、私にもっと知識があったら。
この頃のフランス映画について・・もっと知っていたら。

オーランシュの手掛けた脚本が、どんな作品に仕上がったのか・・とか、ドヴェーヴィルが現場を仕切っていた数々の映画の撮影のシーンも。
きっともっともっと楽しめたに違いないなのですよ~。


・・・・・でも。
知らなくても、この3時間と言う(映画の)長さも全然苦にならない。
いろいろな意味で魅力溢れる作品でした。


「クリクリのいた夏」で俄然ファンになったジャック・ガンブランがここでもまた!素敵~♪
撮影の現場を見事に仕切り、影ではレジスタンス活動に驚くほどの冷静ぶり。
でも疎開している奥さんや子どもに会いにゆく・・・片道385キロ!!の道を自転車で駆ける!その熱さ。
朝もやの中、午後の日差しの中、そしてついには漆黒の闇の中も・・、赤いランタンの灯りを頼りに駆け抜ける姿・・。

普通に話せる日はいつ来るのか?
抑え込んでいる自由への思いが・・どんどんと高まっていくかのような・・力強さと熱さを感じました。
迎えてくれる奥さんに向けた笑顔が・・↑のジャケットの笑顔なんですよね~、うっとり(笑)


そんな落ち着いた彼も、あのビックリするような事態になってしまった一夜についてはさすがに冷静にはなれませんでしたね。
盗み出した機密書類について詰問されるシーンではハラハラしながらも・・汽車を乗り継ぎ、ついには飛行機にまで乗せられて海を渡るハメになってしまう。
え?え?どうなっちゃうの?って。

このちょっと不思議な、でも奇蹟的なエピソードについては、なんと紅茶が登場したので、Tea&Cinemaに挙げちゃいました(こちら
紅茶好きの私が「もう・・もういいから、お茶は・・」なんて思ってしまう、珍しいシーンだったのですよ~。


もうひとりのジャン。
オーランシュは、コンティナンタル社の誘いを断り続ける・・という気骨あるところを見せたかと思うと、繊細で自分の脚本に自信を失ったり、
かと思うと何人もの女性の間を行ったり来たりしたり(苦笑)。
でもそんな、とても自分に正直な、人間味たっぷりなところって、この映画のほっと息を抜ける部分でもあったような気がします。

けれども・・そんな彼も友人のためには、厭な仕事を引き受けることになってしまう・・。


いろいろな制約や支配をうけていたフランス映画の製作現場の様子も描かれていますが、逆に、良い映画をつくるために柔軟な態度も見せたり、才能を発掘し、たくさんの名作を生みだした・・そういう社のドイツ人責任者の姿も描き出して見せる・・。
ダヴェルニエ監督の描き方の深さにも心打たれます。


ちなみに、タイトルの「レセ・パセ」とは、フランス全土を検問なしで横断できる通行許可証のこと。


「もし、あの時代に戻ったとしても、きっと同じことをするだろう」
後にそう語ったドヴェーヴィル。

彼が手掛けた監督作品にいつか出会うこと出来たら・・と願っています♪



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コメント
これ、公開当時に劇場鑑賞したので詳細記憶は引き出しの中・・ですが(^^;
私も、もっとこの時代のフランス映画に関して知識があったら、もっとこの世界を楽しめただろうし理解出来たかも?って思いました。
真摯な作りの作品でしたよね。
が、この長さ、瞳さんは全然苦にならなかったんですね~。
さすが、地味映画で鍛えられてるだけある!??(笑)
と言うか、ベルトラン・ダヴェルニエ作品って、地味映画の代表みたいな感じしませんか?
お茶のシーンがあったのも覚えてないですが・・何か特殊だったのかな???
つるばらdot 2009.09.01 22:11 | 編集
瞳さんのシネマのお茶のページ、読んできました。
お茶のシーン・・色々な使われ方してて、とっても重要でしたね。
でもやっぱりお茶は楽しく頂く方がいいですね・・平和な時間でね。
それにしても、もう~~全然覚えてないとは・・我ながら情けないです。(;´д` ) トホホ
今、パンフレットを引っ張り出して見てみたら、カフェオレ・ボウルが写ってるシーンもあったけど、もしかして、この中も紅茶?
パンフをパラパラめくりながら、ちょっとタイムスリップしてますよ・・なんだか前よりも興味津々です・・。
つるばらdot 2009.09.01 22:28 | 編集
瞳さん、こんばんは。
早速、Tea&Cinemaを拝見してきました。
紅茶のシーン、はっきり覚えてないのですが、とにかくこの辺りのシーンは、急にコメディーか!?と思うようなところもありましたね。
監督のユーモアなのかな?と思ったりしましたよ。
turubaraさんもおっしゃってるけど、やはりティータイムは平和な時間がいいですね。
これから、ますます紅茶が美味しくなるシーズンですね。
そうそう、Tea&Cinemaにある作品を見ていると、やはり紅茶が出てくる映画は圧倒的にヨーロッパ映画ですね、って、当たり前かぁ~^^;
この映画、そして最近のガンちゃん人気が密かにうれしい私です。
去年の抱かグラでのグランプリは、そのガンちゃんだったんですよ~。知る人ぞ知る、フランスの渋い奥目のイケメン・ガンちゃん。
新作が観たいなぁ~と思う今日この頃です。(^^ゞ
カポdot 2009.09.01 23:44 | 編集
>つるばらさん
おお、つるばらさんは劇場鑑賞だったのですね!!
いいな~♪
パンフレットもお持ちなのね~。
カフェオレボウルシーン、ありましたね。
田舎の疎開先のシーンじゃなかったかしら。
ふふ~、最近長い時間の作品もいけちゃいますよ(笑)地味映画で鍛えられました(笑)
先日見たロシア版12人の怒れる男も3時間ありましたっけ。
アクションいっぱいのバリバリ?したのには息切れしちゃう私ですが(笑)。
そうですね~、監督、「田舎の日曜日」も良かったし。ほかの作品も見てみたいです。

お茶のページも見てくださってありがとうございます♪
うんうん、さすがに私ももうお茶はいいだろう・・って思ってしまうようなシーンでした(苦笑)
やっぱり落ち着いて、ゆっくり平和に飲みたいものですね。
でもお茶のシーンがあったので、よけい忘れ難い映画になりました♪

dot 2009.09.03 21:13 | 編集
>カポさん
こんばんは~、早速Tea&Cinema見に来てくださったんですね、ありがとうございます♪
そうそう、なんでしょう、この飛行機に乗せられちゃうシーン、ドタバタ・・?じゃないけど、なんだか不思議な可笑しさもありましたよね。
ジャン自身も「何やってるんだろう」って言ってましたし(笑)
>Tea&Cinemaにある作品を見ていると、やはり紅茶が出てくる映画は圧倒的にヨーロッパ映画ですね
うんうん、そうなんですよね♪
やっぱりあちらの映画が多いですね~。イギリスの映画は、アクション系でもそういうシーンがあったりしますもんね。

>去年の抱かグラでのグランプリは、そのガンちゃんだったんですよ
実はガンブランで検索していた時、抱かグラのページが出てきたの!!(笑)
で、思わず、おおーーーってPCの前で唸ってました(笑)
新作見たいですね!
あ、その前に、カポさんちで彼の、と~っても衝撃的な作品を見つけちゃったのですが!!
レンタルあるかなあ・・探しに行こうと思ってますよ(笑)
dot 2009.09.03 21:20 | 編集
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