2009
08.23

「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」

ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2枚組) [Blu-ray]ベンジャミン・バトン 数奇な人生 (2枚組) [Blu-ray]
(2009/07/15)
ティルダ・スウィントンジェイソン・フレミング

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光陰矢のごとし(汗)
実は、劇場で見ておきながら、感想をUPしていなかったこの作品。

お茶のシーンがある映画にUPして満足してしまったということもあるのですが(苦笑)
時間があけばあくほど・・自分の中でいろんな思いが膨らんできて(その間に原作を読んだということもあると思いますが)
なかなか感想に向かうことができませんでした。

あぁ、でもDVDが出ちゃってますもん・・・。


1918年、ニューオーリンズで生を受けたベンジャミン・バトン。
生まれた時の姿は、なんと80歳の老人の肉体・・・。

お産で母を亡くし、赤ん坊の風貌にショックを受けた父親に老人養護施設に捨てられてしまったベンジャミンだが、施設を経営するクイニーの深い愛情を受けながら育ってゆく。
こうして、成長するにつけしだいに若返っていくという、彼の驚くべき、数奇な人生は幕を開けたのだった・・。

フィッツジェラルドの原作を後から読んで、そしてまた映画を思い返して一番感じたことは、この少年時代のベンジャミンの施設での生活。
肉親の間で育った原作のベンジャミンとの大きな違い、そして少しブラックっぽく感じた小説に比べ、
映画全体から受けた不思議に静かなペース、
これほどの数奇な運命を淡々と受け入れ(ているように見える)ベンジャミンの姿勢・・それを支えているものが、この少年時代の彼の生活だったように思えるのです。

ベンジャミン・バトン



死期の迫った老人たちとベンジャミンの触れ合いには、とても味わい深いものがあって。
いつ死を迎えるのか分からないような・・老人たちの姿をまじかに見、死というものをすぐ近くに感じながら育ったからこそ・・、どこか達観と、自らの運命を受け入れていたのではないかしら(もちろん、そこには誰も踏み込むことのできない、彼の孤独があっただろうけれども)。


ほかの人々と全く逆に流れてゆく彼の時間、彼の人生。
その中で出会う人々とのエピソードは、どれもとても印象深いものでした。

マイク船長との出会いにより・・さまざまな「初めて」を体験するベンジャミン。働くこと、女性を知ること、お酒を飲むこと・・そして海へ出ること。

航海の途中、ロシアで出会ったエリザベス・アボットとの初めての恋も・・ホテルでのお茶のシーンに思わず心を躍らせてしまったし。

実の父親トーマス・バトンの残された時間にそっと寄り添うような、ベンジャミンの優しさも心に沁みてくる。

そんなベンジャミンの人生、時間の中で、何度も出会い、別れ・・そしてまた巡り合った・・運命のひと、デイジー。
ベンジャミン・バトン3
ブラッド・ピットとケイト・ブランシェット、なんて美しいカップルなのでしょう。


愛し合う二人ならこれから同じ時間を過ごし、一緒に人生を送っていけるはずなのに。

人はみな、出会っては別れ、愛する人を失ってしまう。
そして失って初めて大切さがわかる。


これは、もちろん、数奇な人生を送るベンジャミンだけでなく、普通の人生を送る私たちにも言えること。
ただ・・私たちには(そう願えば)同じように時間を送り、一緒に年老いてゆける誰かがいること。
ひとり若返ってゆくベンジャミンの孤独(そして、デイジーもまた)を思うと胸が痛い。


ベンジャミンの数奇な人生をたっぷりと描きながら、そこに見えるのは、普遍的な、変わることのない愛や、人生への思いでした。

特殊メイクの見事さやCGあってこそ、ここまで描くことができた世界なのだけれど、それ以上にしっかりとした作品の構成や、さまざまなエピソードがどれも抜群に印象的なことが心に残ります。


心暖まるシーンが多いことも嬉しいですね。
(デイジーのことも、形は違ってもそれからも二人の間の繋がりは途切れることなく、ああいう形で最期を迎えることができたのですもの)


こんなに数奇な運命ではもちろん無いにせよ、与えられた自分の人生の中で、出会った人々との時間や思いを大切にしていきたい・・そうしみじみ感じます。


DVDが出てるから・・・再見しようかしら。
今更ながらに感想を書いていたら、また見返してみたくなりました。
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