2009
08.14

「マルセイユの決着(おとしまえ)」

マルセイユの決着(おとしまえ) [DVD]マルセイユの決着(おとしまえ) [DVD]
(2009/07/10)
モニカ・ベルッチダニエル・オートゥイユ

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1960年代のフランス。
大物ギャング、ギュは、服役していた刑務所からの脱獄に成功し、かつての相棒の未亡人、マヌーシュのもとへと向かう。
若いギャングたちの間では仁義も軽んじられるようになってしまった暗黒街・・すっかり変わってしまった街に失望したギュは、マヌーシュと二人で国外へ逃亡することを決意するのだが、そのための資金を得るため最後の仕事に向かう。

金塊強奪に見事成功したギュだが、彼をしつこく追う切れ者、ブロ警視のワナにはまり、裏切り者の汚名を着せられてしまうのだった・・・。


フイルム・ノワールです。
男の世界です。

オリジナルは、あの名匠ジャン=ピエール・メルヴィルの「ギャング」。
原作は、ジョゼ・ジョヴァンニの書いた小説『おとしまえをつけろ』、この方ギャングとして投獄され死刑を宣告されながら、大統領恩赦によって免れた・・という強烈な過去を持つ方なんですね。
小説家、映画監督として活躍されて、先日再見した「ル・ジタン」も彼の原作、監督でしたよ。そうそう「暗黒街のふたり」の監督さんでもありましたっけ。


そして、オリジナルでギュを演じたのは、「冒険者たち」のリノ・ヴァンチェラ。こちらもぜひ見てみたいですね。


リメイクされた、本作でギュを演じるのはダニエル・オートゥイユ。
まわりのキャストたちも魅力的な方ばかり。
トレンチコートにソフト帽が素敵ですよ~。
それはもう・・ハードなシーンもありますが、人情、仁義、裏切りや愛・・。
155分の長さも気にならない、男たちの生きざまにどっぷり浸ってしまいました。




ギュが加わった金塊強奪のシーンの鮮やかな手口も印象的でした。
それはもう・・貫禄たっぷりに仕事をこなすギュの、愛用の銃を構える姿。
あくまで同じ銃で仕事をするんですねぇ・・このこだわりというか、挑戦ともいえる堂々とした態度・・やはり大物なんですね。


しかし、そのことがまた彼を追うブロ警視に付け入る部分を与えてしまう。
警視の狡猾な罠にはまって仲間の名前を漏らしてしまったギュ・・の怒りっぷり、嘆きっぷりは、これまでの渋さをかなぐり捨ててっていう感じでした。
何よりも、仲間と仁義を重んじる彼にとって・・裏切り者の汚名を着せられることは死ぬことよりも辛いこと。
危険だと分かっていても「おとしまえをつけない」わけにはいかないのですね。
愛よりも自由よりも名誉を選ぶ。壮絶な「おとしまえ」でした。
でも「おとしまえ」の前には、愛する女のために自分亡きあとの「彼女の身の振り方」にも気を配っていたりする(旧知の仲間オルロフにマヌーシュを託す・・泣けるじゃないですか)・・そんな細やかさも見せるんですね。



ブロ警視も憎い人物なんですが(演じるのは「仕立てやの恋」のミシェル・ブラン!)最後にとった行動に・・警視なりの仁義を感じました。彼もまた古いタイプの男なのでしょうね。



それにしても・・なんて魅惑のキャスト陣。
一匹狼の素敵なギャング、オルロフを演じるのは、私の思い出の映画「夢追い」のジャック・デュトロン。
実は主人公のギュよりも・・ここでは魅力的な人物だったかもしれません。
マヌーシュに本名を聞くシーンなんてため息ものの・・粋さですよ。

予告の時から気になる~、お友達からもイケメンだよ!!とお勧めのニコラ・デュボシエル!!。
若きギャングを演じた彼、それはもう美形です。クールビューティな方の登場に胸が躍りましたよ(笑)


そして、後半出番が少ないのが残念でしたが、エリック・カントナ。
先日見た「クリクリのいた夏」で印象的だった彼、ここでも堂々とした姿が嬉しいですね。


そんな魅惑の男性陣の中で、紅一点は、モニカ・ベルッチでした。
文句なしに美人な彼女、でも映画の中の彼女の役柄・・実はこれまでそれほど好きじゃなかったのですが、本作のマヌーシュ役、とっても素敵でした。


マルセイユの決着

見事な金髪、長い睫毛・・、なんてゴージャスなんでしょう。
男たちの間で揺れ動き、その生きざまに悲しい瞳を見せながらも、誰よりも強く生きてゆく・・、愛されても当然の「特別な女性」でした。
そして彼女自身も愛を惜しまない・・素敵な女っぷりに魅せられました。

男たちに美学があるなら・・それを見守り、彼らをしっかり愛するマヌーシュの生き方も女の美学かも
しれませんね~。

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