2009
04.20

「胡同の理髪師」

フートンの理髪師
胡同の理髪師 [DVD]胡同の理髪師 [DVD]
(2009/01/07)
チン・クイチャン・ヤオシン

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地味映画推進委員会のお仲間ポルカさんからお薦めをいただいた作品です。

北京の旧城内にある胡同(フートン)に住むチンおじいさんは93歳。
かって理髪店を営み、その腕の良さから高名な人物たちも訪れたというチンさんは、今でも常連客に頼まれて出張理髪を営んでいる。

朝は6時に起床(古い時計は毎朝5分遅れるけれど)、午前中は頼まれた出張理髪をし、午後からは仲間たちとマージャンを楽しむ。
ゆっくりと、静かに時間が流れるような、そんなチンおじいさんの日常をドキュメンタリー風に描いた作品です。

このチンおじいさん、実在の人物。
演じるのもご本人、チンおじいさんなのですが、ええ、もう93歳とは思えない、若々しさ、お元気さ。
三輪に乗ってお客のところに出かける足腰のしっかりした様子、しゃんとした姿勢もですが、なにより、かみそりを持つ手の鮮やかなこと。
迷いも震えももちろんありません。
まさにプロフェッショナル!!

若々しさは、声にも現れています。
元気でハリのあるその声で寝たきりの老人に「もっと外に出なけりゃ」とアドバイスしたり、マージャンは「頭の運動になるから」と言い切ったり。

先日観た「マルタのやさしい刺繍」のマルタも80歳、こちらのチンさんも93歳。
お年を召しても元気な姿を見ると、自分もこんな風に年を取れたらなあ・・って思います。

そんなチンさんも、いつものように訪ねた常連客であり友人の突然の死に、やがて自分にも訪れるであろうその日を意識しはじめます。
その時のために、写真を撮ったり肖像画を書いてもらったり・・。
そういう姿も淡々としていて、とても自然です。

古い街並の残る胡同の街の様子は、私にはどこか懐かしい・・子どもの頃に住んでいた田舎の村を思い出させます。
風情があってそこに住むお年寄りたちのゆったりとした姿も嬉しいのですが、街にも新しい波は押し寄せてきています。
立ち退きを迫られる人々・・チンさんの家にも取り壊しのマークが書かれるのですが、そこでもチンさんけっして慌てたりしたりはしないんですね。
役人に字が間違ってる・・と指摘するその余裕ぶり。

来るものを受け入れて、でも自分のうちではゆったりと生きようとするその姿勢にほっとするものを感じました。


毎朝5分遅れてしまうチンさんの古時計・・、無理やり直して壊してしまうよりは、このまま使ってあげた方がいい・・・。
時計店の主人の言葉、印象的でした。


そうそう、それにチンさんに髪を整えてもらったり、顔剃りをしてもらった老人たちの顔に浮かぶ満足感・・、その気持ちよさそうな表情も!
仕上げの熱いタオルの湯気が・・ほわ~~っと伝わってくるかのようです。



静かで地味~~なチンおじいさんの日常、でも若いときはさぞかしいろんなエピソードがあったのだろうなあ・・・そんなことも想像したりして。


噛み締めるほど味がある・・・・そんな作品でしたね、ポルカさん、ご紹介ありがとうございました♪

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