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縁あって・・・本や映画と巡りあう。




月イチ★クラシック「生きる」 :: 2023/10/24(Tue)

生きる

市役所の市民課長、渡辺は30年間無欠勤で勤め上げてきたが、仕事への情熱はすでになく、毎日書類に埋もれ、ハンコを押すだけの日々。
だが、ある日、自分が胃癌で余命幾ばくもないと知り、絶望に陥った渡辺は、出会った小説家の男に導かれるまま、歓楽街をさまよい飲み慣れない酒を飲む。

そんな時、役所を辞めるという部下小田切とよに出会った渡辺は彼女の生きる力に圧倒され、自分の生き方はいったい何だったのか・・・と思い悩み・・・・。


リメイク版を鑑賞したとき、ぜひオリジナルを~♪とおススメをいただきました。
1952年の日本映画、黒澤明の名作『生きる』

改めてお薦めありがとうございます。さすが、世界の黒澤でした。観て良かった!!

イギリス版のビル・ナイは、部下にゾンビとあだ名され、オリジナルの主役、志村喬さんは、ミイラ
このミイラ課長、背中をまるめ、「あのーー、そのーーー」と言葉が続かず、情けない顔やがっくりとした顔が断然多いにもかかわらず、その目力の強烈さときたら!!
自身の余命を知り、これまでの生き方を顧みるんだけど、どうしたらいいのかもわからない。
息子に話そうとしてもさえぎられたり、お金の話をされたり・・・。すがるように(かっての部下)小田切とよと時間を過ごしてみるのだけれど・・・。

紳士然としたビル・ナイはゾンビと言われてもやっぱり素敵なんだけど、志村さん演じる渡辺の、思いつめたような鬼気迫る姿にはちょっと怖さも覚えました。だけど、そんな姿が強烈に印象に残るんですよ~。

小田切かよに余命を打ち明けた後、自分にもできることがあったと思い立った渡辺がカフェを出るシーンで、店内に流れるのは(友人の誕生日を祝う)女学生たちの「ハッピーバースデイ」♪ここ、ニクイよねぇ。

その後、急転して渡辺の訃報が流れ、お葬式の場面へ変われば、集まった役所&助役たち面々の会話劇が延々と始まったのにはビックリ。
故人の家族もいるお葬式の席で、よくまあーー、あんな役所の内情をぺらぺらと~~、しかも故人の話も交えて・・・と呆れつつ観ていたら、おえらいさんに忖度していた人たちが、いなくなったとたんに(お酒の力もはいり)どんどんと本音が出てきて・・・それがやがて、生前の渡辺の公園つくりへの謎の熱意について語り合っていく。
各課の課長に相手にされなくても、どんなに待たされても・・・「人を憎んでいる暇はない、そんな時間はもうない」という渡辺の言葉、静かに、けれどもどこまでも粘り続ける様子、公園造成が始まった現場では倒れそうになりながらも踏ん張るその姿。
彼らの話の中で、渡辺が最後の5か月をどんな風に“生きた”のか、その姿が見事に浮かび上がってきて・・・その上手さ、面白さに唸りました。
好き勝手言い合う役場の面々のやりとりに、時に呆れ、時に吹き出し、そして泣けるんです。
志村さんの歌う「ゴンドラの唄」は、お腹の中からじわ~~と沁みました♪

オリジナルにほぼ忠実なリメイク版でしたが、さすがにこの(仲間内がしゃべりまくる)お葬式のシーンはありませんでしたね。こういうの、日本っぽい。そして主役は直接登場させずに、ここを見どころにしてしまうのが見事です!!

部下の女の子はイギリス版の方が魅力的だったかな~。オリジナルでは出てこない新人君を登場させたのも面白い。
オリジナルを見たことで、リメイク版の魅力、良さも改めて感じられました。


  1. 月イチ★クラシック
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  3. | comment:6
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comment

お邪魔します。

私もイギリス版を観た時、同じ時代設定にした割にはうまく料理したなと感心しました。
また、それだけ黒澤明監督のオリジナルが愛されているのだと。
  1. 2023/10/24(Tue) 21:12:05 |
  2. URL |
  3. ゾンビマン #-
  4. [ 編集 ]

>ゾンビマンさん

こんばんは。早速のコメントありがとうございます。

お薦めいただいて感謝です♡これは、やはり観ておかないといけませんね。
140分ありましたが、全く長いと思いませんでした。志村さんの目力と鬼気迫る演技、そしてあのお葬式の会話劇、素晴らしかったですね。

イギリス版の良さも、オリジナルを観て改めて感じました。
  1. 2023/10/25(Wed) 19:37:57 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん、こんにちは!
ご覧になられたのねー。
私は恥ずかしながら途中挫折しちゃったんだけど
瞳さんのこの記事読んでいたら、あら、良い映画じゃない!
面白そうーって思っちゃった。
今度再度トライしてみようかな?
  1. 2023/10/26(Thu) 07:22:56 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

こんばんは。

そっか~、latifaさんは途中で観るの止めたんでしたっけ。
品よくまとめたリメイク版と違って、オリジナルは役所内のあれこれとか、主人公の鬼気迫る様子とか、結構クセ強めだものね。息子とその嫁も(リメイク版よりずっと)オイオイ~~!って言いたくなったし。
お葬式でのシーンも勝手なことばっかり言ってる!と憤慨してたんだけど、そこからの会話の流れが面白くて!!
最後は渡辺さんに続け!!みたいに盛り上がるんだけど・・・実際は・・っていうところは、リメイク版もそうだったよね。

良かったら再度トライしてみて~♪お葬式の会話劇は面白かったわ。

ちなみに息子(市役所勤め)が、確かに案件によってはこれはうちの課の担当か?っていう悩みがあるけれど、たらいまわしなんてしてたら今の時代とんでもないことになる!!って言ってたわ~!(^^)!人も減らされてるし、なかなか大変なようです。


  1. 2023/10/26(Thu) 20:21:29 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

どうも、ご覧になりましたね。

私も、あの葬式のシーンどう処理するのかなというのが一番興味がありまして、結論からいうと、映画のやり方はかなり上手でしたね。あのシーンを英国舞台でするのはやはり無理ですからね。これは、いまの日本でも同じでしょう。今の日本では、あのような葬式はすでにない。


リメイク版もそうだったよね。

ラストシーンの警官は、リメイクのオリジナルですね。どういうきっかけでカズオ・イシグロがこの映画の脚色(しかもリメイク)を担当したのかは当方知るところにありませんが、オリジナルと同時代の設定で、うまく日本と英国の差異を、処理していたなと思います。

そういうことを言ってはいけないのでしょうが、私はオリジナルよりリメイクのほうがとっつきよかったです(苦笑)。
  1. 2023/11/06(Mon) 20:25:34 |
  2. URL |
  3. Bill McCreary #-
  4. [ 編集 ]

>Billさん

おはようございます。
お薦めありがとうございました♡観て良かったです。

あのお葬式の場面、ちょっと間違ったらぐちゃぐちゃ、グダグダになってしまいそうですが、さすがでしたよね~♪
>今の日本では、あのような葬式はすでにない。
ないですよね。そこはやはり時代を感じますね。

>オリジナルと同時代の設定で、うまく日本と英国の差異を、処理していたなと思います。
そうでしたね~!!オリジナルを観たことで、よりいっそう、イギリス版すごく良かったな~と改めて感じましたよ。

>私はオリジナルよりリメイクのほうがとっつきよかったです(苦笑)。
わかります、わかります!確かにとっつきやすさはリメイク版のほうですよね。
最初の方の放蕩するシーンとかも、オリジナルはじめ~っと暗めの雰囲気が独特でしたね。
  1. 2023/11/07(Tue) 08:45:50 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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