2009
03.04

「おくりびと」

おくりびと

なるほど、アカデミー賞効果はすごい!
見逃してしまった「おくりびと」がワーナーで凱旋上映されていると聞いて、息子と一緒に見に行ったら平日だと言うのに、すごい人!!端っこの席しか空いてませんでしたよ。

1番スクリーン(やった~!)が満席って、久々に見たような気がする~。

そして、なるほど・・・・大満足♪ 
劇場いっぱいの人々と一緒に泣いたり、笑ったり。心がじんわり満たされる、素敵な映画でした。


東京でオーケストラのチェロ奏者をしていた大悟は、楽団の解散で職を失い、演奏家への道もあきらめて、故郷である山形に戻ってきた。
一緒についてきてくれた妻美香のためにも、早く職を見つけたい・・、そう思う大悟はある日、新聞の求人広告で願っても無い好条件の職を見つける。

だが、「旅のお手伝い」と書かれた広告に旅行代理店か何かだと思っていたその仕事は、亡くなった人を納棺する、「安らかな旅立ちへのお手伝い」。
思いもよらぬ仕事に慌てる大悟だったが・・・・。



思わず見とれる、その所作。
山崎さん(大悟を指導する納棺師を演じる)、本木さんの納棺の儀式、その技術。
亡くなった方のお顔を整え、着替えをし、美しくメイクを施し・・。
動きの優雅さ、指先まで美しいそのひとつ、ひとつの動きがまるで芸術品のようで、しかも優しさに溢れていて・・、なんだか見ているだけで胸がいっぱいになってくるようでした。


映画の中で大悟は、さまざまな境遇の、いろいろな形の死と向き合うことになります。
一人暮らしの老人の寂しい死、事故で命を落とした若者や、幼い娘を残したまま逝ってしまった母親、大往生のおじいちゃん・・。
誰にもいつか、訪れる「死」、自分はどんな風にそれを迎えるのだろう、そして、身近な人をどんな風におくるんだろう・・。
大悟とともに、さまざまな死と向かい合いながら、いろいろな思いがこみ上げてきました。


そうして、そんな誰にも必ず訪れる「死」というものを思いながら、いや、むしろ「死」を取り上げているからでしょうか。
反対に生きること、生きて食べること・・。
そういう「生」への思いもとても強く感じる映画でした。

飛び立つ鳥たち、故郷を目指し必死で泳ぐ鮭、
映画の中に登場する食べ物のシーンもとても印象的なのです。

アンリ・ルソーの絵のような植物に溢れた社長の部屋で食べるフグの白子、クリスマスに山のように盛り上げられたチキン。
車の中でお礼にもらった干し柿をしっかりとかみ締めるシーンも。

私が食いしん坊だからなのかなあ・・。
いや、でも食べることは生きることにもつながっていますもんね。
何かの命をもらうからこそ「いただきます」なのだって・・C・W・ニコルさんの本にも書いてましたっけ。


石文のエピソードも素敵ですよね。
あのエピソードが、最後にああいう風に生かされること、(なんとなく予想はできるのですが)もう、こみ上げて、こみ上げて・・。



いつかは、誰もが迎える「死」
それについて考えると同時に、今生きている、そのことの大切さと・・、何より一緒に生きている人への想いと・・。
そういうことをゆっくり、じっくり、感じさせてくれました。
涙もいっぱい流れましたが、でも、思わず笑いがこみ上げるシーンもいっぱい。


主人公の大悟を演じた本木さん、ちょっとコミカルな表情に笑っていたら、凛とした表情に思わず見とれちゃう。チェロも堂に入っていましたね。
そしてやっぱり、山崎努さんっていいな♪
そうそう、短い登場でしたが、奥さんを無くした悲しみを不器用にしかあらわせないだんな役の山田辰夫さんの演技は心に残りました。


山形の自然の中でのチェロのシーンに思わず癒され、NKエージェントの建物や、大吾たちの家(元喫茶)がとっても素敵で思わず住みたい~って。


あ、そうだ、そうだ!
食べるシーンといえば・・私はやっぱり、あのお茶セットも気になったのですよ~(笑)
NKエージェントの事務員上村さんの豪華で美しい紅茶ポット&カップ。
どんなお客様に出すのかと思いきや、自分用(笑)

なんのこだわり?でもそういうちょっとしたことに凝ってみる映画って・・・・面白い。



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