
大学で犯罪学について講義する助教授リチャード・ウォンリー(エドワード・G・ロビンソン)。
妻と子どもたちを休暇旅行に送りだした彼は、クラブへ食事に出かけ旧友だちと語り、飲み、心地よい時間を過ごした。
クラブを出たウォンリーは、隣の画廊にある女の肖像画をしばし眺めていた。以前からこの絵に心をひかれていたのだ。
・・・と!窓の中に絵の女とそっくりな影が映りこむ。絵のモデルの女(ジョーン・ベネット)に声をかけられ、彼女のアパートに行くことになったリチャードだが・・・・・。
プラパト(プライムパトロール

)で発見した作品です。
1944年のアメリカ映画、監督はフリッツ・ラング。
いわゆる、女性との出会いから事件に巻き込まれ・・・転落していく男を描いたフィルムノワール的な作品ですが、まずタイトルに惹かれましたよ♪
飾り窓の女、原題は「The Woman in the Window」、少し前に記事にしたエドガー・ライト監督の「
ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ」を思い出しました。
あの作品のヒロインの趣味はクラシック映画を見ること。後に原作を読んだらものすごくたくさんのクラシック映画が登場してビックリ。著者は相当、クラシック映画に詳しい。あの中に本作はなかったけれど、タイトルといい、きっと影響されているのではないかな~と想像しちゃいました。
主人公リチャードを演じるエドワード・G・ロビンソンは、シュッ!とした美男子ではなく、はっきりとした眉、ぎょろりとした大きな目、四角く張った輪郭、どちらかというと癖ある悪者顔・・・と思ったら、ギャング映画で名前をなした方だそうです。
でも、本作ではすこ~しやわらかめの表情やドジさ加減、癖ある顔ですが(あまり遊んだことのないような)真面目さが印象的な教授っぷりでした。
ショーウインドウに飾られた女の肖像画を眺めていると、そこにそっくりな女の姿が映りこむ~!この導入シーンが見事でした。
常日頃、心惹かれていた肖像画のモデルの女に声をかけられ、話し込み、ついつい彼女のアパートまでついて行ってしまう教授・・・、彼女(そういえば最後まで名前は出なかった!)を演じるジョーン・ベネットがとても魅力的なので、これは仕方ないかも!(^^)!
そこで彼女の愛人と遭遇し、正当防衛ながら男を刺し殺してしまい・・・・そこからの展開はよくあるストーリーのはずなのに、これがとても面白かった。
死体を遺棄しようとして車を走らせれば、誰にも会いたくないのに警察官や料金所の男と運悪く出会ってしまう!死体遺棄の時には手をケガしてしまうし(>_<)
おまけに死体が発見され事件が発覚した際には、友人の地方検事と一緒に現場に行く羽目に


(来た事がないはずの場所なのに)先頭きって死体の場所に向かってしまう教授の間抜けさときたら(>_<)そのうえ、漏らしてはいけない(犯人しか知らないようなことを)いろいろ口走ってしまうんですからねぇ~~。
そんな教授と比べると、心配はしていてもなかなか肝が据わってるのが飾り窓の女性ですよ。のちに現れた脅迫者とのやりとりは、実に見ごたえがありました。
なにより、ジョーン・ベネット、その美しさにどんどん魅入ってしまう~♡
やがて万策尽きて・・・教授はある悲しい選択をするのですが・・・、ラストは想像していなかったドンデン返しでした。いや、まさかねぇ~~。
このラストのドンデン返しは、賛否両論あると思いますが、私はとても面白く感じました。
なによりホッとしましたよ~、あれで終わってたら後味悪すぎです。あと、このラストだからこそ、教授のドジさ加減や、女に名前がなかったことなど・・・いろんなことに納得がいきました。
飾り窓の女は、眺めてうっとりするので良し。いくら、ジョーン・ベネットが魅力的でも(*^-^*)
- 月イチ★クラシック
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