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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「丘の上の本屋さん」 :: 2023/04/09(Sun)

ブックリスト


イタリアの風光明媚な丘陵地帯を見下ろす丘の上の小さな古書店。
店主リベロは、ある日、店の外で本を眺める移民の少年エシエンに声を掛け、好奇心旺盛なエシエンを気に入ってコミックから長編大作まで次々と店の本を貸し与えていく。
リベロが語る読書の素晴らしさに熱心に耳を傾けるエシエン。
感想を語り合ううちに、いつしか2人は友情で結ばれていく…。

           <公式サイト ストーリーより>



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ホールソレイユで4月7日から公開中の『丘の上の本屋さん』(2021年イタリア映画)を観てきました♪

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物語の舞台となるのは “イタリアの最も美しい村”のひとつ、チヴィテッラ・デル・トロント。
石造りの歴史ある街並み、牧歌的な緑あふれる丘陵地帯を見下ろす丘の上にリベロの営む古書店があります。決して広くない、小さなそのお店はとても居心地が良さそうで、
お隣にはイタリアイケメン、ニコラが働くカフェがあって、クリームたっぷりのマリトッツオ(久々に食べたい~)や濃いコーヒー♪こんな古書店なら毎日でも通いたい。

そう思うのは私だけではないようで、リベロのお店にはちょっと癖のある常連客や、風変わりな観光客が訪れます。
儲けよりも本について誠実に答えようとするリベロの人柄、知識をひけらかすことなく、お客とのコミュニケーションを大切にしようとする優しさが、ちょっと過激そうなお客との間にまでユーモラスな空気を醸し出していました。

本を読むことが大好きだけれど、買う余裕のない少年エシエンにリベロが貸してあげる書物の数々。
「ピノッキオの冒険」「イソップ寓話」や「ドン・キホーテ」
えっ!!「白鯨」をチョイス!?かなりの長編だゾ!と驚き、大好きな「星の王子さま」の登場が嬉しい。
リベロのブックリスト、次は何をチョイスするんだろう?そしてエシエンはどんな感想を抱くんだろう?とワクワクしました。
少年が公園で本のページをめくり、物語の始まりが語られるシーンに自分が子どものころ、それらの本を初めて読んだときの、あのなんとも懐かしい感覚がよみがえってくるような気がして(はるか遠い昔なのに)胸が高鳴りました。
本を読み終えた少年とリベロの会話に私も交じりたい~~!(^^)!

舞台は古書店と、エシエンが本を読む公園がほとんど。派手な展開もなく、ニコラとキアラの恋模様もそれはもうおとなしめ。とてもとても地味な作品。そして、ちょっとお行儀が良すぎる映画かもしれません。
でも、本好きとしては、それ以上に本について語られるところが多かったのが嬉しいし、お客たちとの会話の中や、少年に語る「本」についてのリベロの言葉が胸に響きました。
これから先未来を生きていく少年への想いや希望を本を通して伝えようとしているリベロの暖かさが沁みました。

ただ、ただね~~、リベロが最後に少年に手渡した本が「世界人権宣言」って!?ここはやっぱりユニセフ共同制作だから!?
とても大切だよね、わかる、わかるんだけど・・・。いきなり道徳の授業っぽい………。
私的には、リベロの個人的愛読書が知りたかったなー。


持ち主が代わり、新たな視線に触れるたび、本は力を得る
     カルロス・ルイス・サフォン『風の影』



“10歳の少年ダニエルが、古書店を営む父に、《忘れられた本の墓場》へ連れて行かれる。そこを初めて訪れた人間は、必ず1冊の本を選び、その本が今後決してこの世から消え去らないように守り続けねばならない。少年はそこで「風の影」という本と運命的な出会いをする・・・”
リベロの古書店にこの『風の影』からの引用文が飾られていました。サフォンのこの小説、とても良かった。また再読したくなりました。
「本に囲まれた家庭で育ててくれた両親へ感謝をこめて」エンドロールに書かれた監督のメッセージ。
私も「少年少女世界名作全集」(毎月一冊ずつ届く!かなりの冊数だった!)を購入して、たくさんの物語に出会わせてくれた母に感謝したい。
「赤毛のアン」も「若草物語」も「ロビンソン・クルーソー」みんなみんな、この全集で出会いましたっけ。
あれは今思えば素晴らしいブックリストでした。

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ホールソレイユさんでは、入場者プレゼントの栞をいただきました♪
茶色く変色した、まさに古書状態のマイ「星の王子さま」に挟んでおきましょう(*^-^*)
映画の中で、「王子さまは星に帰って薔薇に会えた?」と聞いたエシエンにリベロが答えた台詞が素敵でした♪
  1. 映画タイトル(あ行)
  2. | trackback:0
  3. | comment:6
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comment

ホールソレイユの佇まいがいつ見てもしびれます。
この映画は観たかったけど金欠でスルーでした。
私は子供の頃から本を読めと言われるのが一番嫌でしたし(汗)
専門誌とか趣味の本は好きなのですが。だから映画観てるんでしょうね。
  1. 2023/04/11(Tue) 07:29:24 |
  2. URL |
  3. ゾンビマン #-
  4. [ 編集 ]

>ゾンビマンさん

早速のコメント、ありがとうございます。
ソレイユ、この古っぽい感じがいいでしょう?(笑)
イタリアとユニセフの共同制作だったようで、とてもまじめな映画でした。私的にはもうちょっとゆるくてもいいのよ~と(*^-^*)
でも親にも子どもにも見てほしい!そんな映画でした。

専門書とか趣味の本!!いいですね♪
そういう本って詳細なので、よほど好きでないと読めませんよ~。
  1. 2023/04/11(Tue) 09:48:24 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

これ見たかったけど、うちの方ではやってなくて・・DVDを待ちます。
この記事読んでて、瞳さんの子供時代がうらやましいです。とてもいい育ち方なさってますね。
私の親は2人とも小説とかドラマに関心なくて、母は本と言ったら毎月買うのは時刻表だけ。旅行に行かなくても乗り継ぎを考えて楽しむ鉄ちゃんでした(笑)
でも「星の王子様」と「ムーミン谷の仲間たち」の2冊だけは祖母が買ってくれて、繰り返し読みました。子供にはどちらも難しかったですけど、絵を眺めるだけでも楽しくて。

この映画の中の本について語るっていいですね〜。私も何が好きって、本とか映画についておしゃべりするのが大好きです!
  1. 2023/04/12(Wed) 12:12:29 |
  2. URL |
  3. tonton #-
  4. [ 編集 ]

読みました

穏やかな映画なのですね〰️
これの試写会もあったのですけど、親子でないと参加出来なくて…
「少年少女文学全集」うちにもありました‼️
赤毛のアン、若草物語❗ガリバーや冒険ものも大好きでしたよ〰️
何度も何度も読んでたなぁ。
星の王子様が薔薇に会えたかの答え気になります。
  1. 2023/04/12(Wed) 13:00:54 |
  2. URL |
  3. ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2
  4. [ 編集 ]

>tontonさん

こんばんは。
我が家は4人姉弟妹なのですが、母は(子ども向けの)訪問販売に弱かったらしく!(^^)!勧められるまま、結構いろいろ買っていたと思います。
百科事典やら、名作全集、伝記シリーズも40冊くらいありましたっけ!!あと世界名曲全集?みたいなのも覚えてます。

tontonさんのお母様、読み鉄(っていうんでしたっけ?)でしたか~!!
「星の王子様」と「ムーミン谷の仲間たち」!!素敵、ステキ♡どちらも挿絵もいいんですよね、あぁ~、眺めてる(子どもの)tontonさんを想像してほっこりしましたよ(*^-^*)

本とか映画についておしゃべりするのって楽しいですよね~♪
本作はちょっと真面目過ぎるところもありましたが、心温まるお話でしたよ。
  1. 2023/04/12(Wed) 19:23:06 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ノルウェーまだ~むさん

こんばんは。
そうなんですね!親子試写会でしたか、なるほど、なるほど~!!
古書店での癖のあるお客さんとのやりとりとかは、ちょっと子どもにはわかりにくいところもあるかな~?と感じましたが、観た子どもたちの感想が知りたいです。

なんと!!まだ~むさんちにもあったのですね!!
私毎月届くのがすっごく楽しみで、届いた日には(早く寝なさいと言われても)こっそり布団の中で読んでたりしました(笑)そうそう!ガリバー旅行記大好きです。「十五少年漂流記」とかも面白かったなぁ~。

リベロの答え、「星の王子さま」をきっと何度も何度も読んでるんだなあというのがわかる台詞でした。
  1. 2023/04/12(Wed) 19:36:52 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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