
8歳のネリーは両親と共に、森の中にぽつんと佇む祖母の家を訪れる。
大好きなおばあちゃんが亡くなったので、母が少女時代を過ごしたこの家を、片付けることになったのだ。
だが、何を見ても思い出に胸をしめつけられる母は、何も言わずに一人でどこかへ出て行ってしまう。
残されたネリーは、かつて母が遊んだ森を探索するうちに、自分と同じ年の少女と出会う。
母の名前「マリオン」を名乗る彼女の家に招かれると、
そこは“おばあちゃんの家”だった――。
<公式サイト ストーリーより>
↓※ネタバレしています、未見の方はご注意くださいね。
「燃ゆる女の肖像」(その年のベスト!心震えました)のセリーヌ・シアマ監督・脚本と聞いて、とても楽しみにしていました。
でも、詳しくどんなお話か知らずに観たので、これはとても意外でした。
エモーショナルな「燃ゆる女の肖像」から一転、本作はとても可愛らしい小品(73分!)

この映画、ネタバレせずに感想を書くのがとても難しいので、もう書いちゃいます!!!(^^)!
↑のポスターにも書いてますもんね。「それは8歳のママだった」
そう!ネリーが森の中で会った少女(母と同じ名前の)マリオンは、8歳の時のママ、その人。
なんとSF!?ファンタジー!?でも、時空が歪んだり、嵐が起きたり(笑)SF的な映像は一切ありません。どうしてそうなるのかの説明も。
ただ、おばあちゃんちを出て森の小道を進むと、またおばちゃんちがあって、そこはネリーとパパがいるおばあちゃんちではなくて、8歳のママとおばあちゃんがいる家。
シンプルすぎるくらい、シンプルな、その設定が逆にとても新鮮でした。
絵本のような、夢の中のような・・・。
戸惑いを感じながらもマリオンと仲良くなり、やがて自分が(未来あなたが産む)子どもだという秘密を打ち明けるのですが、マリオンはそれをすんなり信じるのでした。
大人が主人公の物語のようにややこしくこじれたりしない、少女の敏感な気持ちをすくいとれるような、ストーリーのシンプルさも良かった。

ネリーとマリオンを演じているのは、ジョセフィーヌ&ガブリエル・サンス姉妹。双子ちゃんなのでもちろん似てて、時々あれ、どっちが?となりそうになるのですが、そこはちゃんとネリーはブルーの服、マリオンは赤い服♪
なにかシンパシーのようなものを感じさせる、双子ちゃんの演技の自然さ、可愛らしさ。
クレープを焼くシーンは“素”だったネ(笑)

童話の世界のような森・・・、これが日本の森だと、きっともっと怖い感じに!?

あ!でもシアマ監督は宮崎駿監督をリスペクトしているそうなので、もしや、これはトトロの森のイメージ!?
私事なのですが、この作品を観ながら若くして亡くなった友人のことを思い出していました。
「さようなら」も言えなかった、あまりにも突然の別れ・・・、
祖母にお別れを言えなかったことを悲しむネリーが、時空を越えた世界で(相手はそうと知らないけれど)おばあちゃんに「さようなら」を告げることが出来たシーンに涙が出そうでした。
可愛らしい小品は、喪失の感情に静かに寄り添ってくれる作品でした。
- 映画タイトル(は行)
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これほど目を凝らして真剣に見ても、なんだかよくわからない映画も稀でした。私はシネコンの座席で寝落ちして夢を見たんでしょうね(爆汗)・・・。逆に観に行った行為がトラウマになりつつある作品で(爆汗)・・・。
他の映画ブロガーさんたちが褒めておられるので、良かったと思います。
- 2023/03/09(Thu) 22:32:19 |
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- ゾンビマン #-
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>ゾンビマンさん
こんばんは。
シネコンで夢見るゾンビマンさん・・・!(^^)!
本作、おとぎ話のような、夢の中のような、そんなお話でしたよね。SF的映像を使わなくても、別次元は描けるんだ・・・と思いました。
「燃ゆる女の肖像」同様、本作も男性がほとんど登場しませんでしたね~(パパだけ・・)
- 2023/03/10(Fri) 21:33:31 |
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- 瞳 #-
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瞳さん、こんにちは!
>「燃ゆる女の肖像」(その年のベスト!心震えました)のセリーヌ・シアマ
同じ! セリーヌ・シアマ監督の映画ってことで、楽しみにしていて見たのですよ。
でも、あちらとは全然違った作品でしたよね。
短めでちょっとファンタジックで、でも地に足のついた感じで好印象でした。
面白かったけれど、次回は「燃ゆる女の肖像」系のお話もまた見たいなー。
これからも、追って行きたい監督さんです。
- 2023/03/11(Sat) 13:17:53 |
- URL |
- latifa #SFo5/nok
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瞳さん、こんばんは。
この作品、ストーリーをうかがっていくうちに
なんとなくジブリの「思い出のマーニー」を思い出したので
瞳さんが「シアマ監督は宮崎駿監督をリスペクト」と書いていらして
深く深く納得しました。
ファンタジーな雰囲気や舞台となる森の雰囲気など(マーニーは湖ですが)
どことなくジブリの影響を感じました。
映画って...自分の経験を肩代わり?してくれることで
救われることもありますね。
瞳さんにとって本作は特別な作品になりましたね。
- 2023/03/12(Sun) 01:05:10 |
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- セレンディピティ #.usTzc9U
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こんにちは。とても可愛い映画でした。
何を描いてもネタバレになるので超短文レビューになってしましました。
監督が発掘した双子のマドモアゼルの可愛さ!
そして映画初出演とは思えない感情表現の豊かさは素晴らしかったです。
原タイトル「PETITE MAMAN」が好きです。
- 2023/03/12(Sun) 16:48:19 |
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- margot2005 #mQop/nM.
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>latifaさん
こんばんは。
コメント&TBありがとう。
「燃ゆる女の肖像」は衝撃的でしたよね~、すっごく好き。
本作は全然違った、可愛らしい小品だったけれど、こちらも好きだわ。
映像が素敵よね、あと、ベッドに現れるヒョウのシーンも良かったな~。そうそう、ファンタジック。
次作はどんなお話を撮ってくれるのか、とっても楽しみですね~♪
- 2023/03/12(Sun) 22:30:17 |
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- 瞳 #-
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>セレンディピティさん
こんばんは。
レビュー読んでくださってありがとうございます。
「マーニー」!!なるほど、なるほど~!!確かにそうですね、思い出しますね。
セアマ監督、少女の気持ちを宮崎監督だったらどう表すだろう?って考えたらしいんですよ~。
>映画って...自分の経験を肩代わり?してくれることで
救われることもありますね。
あぁ~、まさにそういうことですよね。
映画ってそういう部分がありますね(感動)
そしてそういう映画は、決して忘れずに心に残っていくんでしょうね。
- 2023/03/12(Sun) 22:36:06 |
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- 瞳 #-
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>margot2005 さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。
分かります~、私もう諦めて、ネタバレ書いちゃいました!(^^)!
双子のマドモアゼル、わ~、可愛い表現ですね、ぴったり♡
そうでしたね、とても自然で可愛くて、表情も素晴らしかったですね。
「PETITE MAMAN」ぴったりのタイトルですね。
もちろん、8歳のママのことだと思うのですが、私、車中でネリーが後ろからママにお菓子を食べさせてあげたりしてたあのシーンが可愛くて、まるで「小さなママ」みたい・・と思ってしまいましたよ~。
- 2023/03/12(Sun) 22:40:54 |
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- 瞳 #-
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これもなんか難解な映画でしたね(しかし、瞳さんと観る映画重複していますね)。なんかほんと白昼夢のような映画でした。
- 2023/05/05(Fri) 10:52:34 |
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- Bill McCreary #-
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>Biiさん
こちらにもコメントありがとうございます。
観る映画被ってて嬉しいです!(^^)!Billさんもヨーロッパ映画、フランス映画お好きですよね。
時空を超えた世界・・・を描いてるのに夢の中のような。シンプルなのにとてもいろんな可能性も秘めた・・・とても好みでした♪
- 2023/05/05(Fri) 19:49:07 |
- URL |
- 瞳 #-
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