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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「イニシェリン島の精霊」 :: 2023/01/30(Mon)

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舞台は1923年。アイルランド西海岸沖のイニシェリン島。
内戦に揺れる本土とは対照的に、のどかな平和が保たれたこの島の誰からも愛される素朴な男パートリック(コリン・ファレル)が、親友コルム(ブレンダン・グリーソン)から突然絶交を告げられる。
理由さえわからず困惑したパートリックは賢い妹シボーン(ケリー・コンドン)や若い隣人ドミニク(バリー・コーガン)を巻き込んで関係修復を図るが、コルムは頑なに彼を拒絶。
やがてコルムは「これ以上、お前が俺を煩わせたら、自分の指を切りおとす」という恐ろしい最終通告をパートリックに突きつけ、両者の対立は想像を絶する事態へと突き進んでいくのだった・・・・・。

    (チラシ ストーリーより)




↓※ ラストの展開に触れています、未見の方はご注意くださいね。


絶対観たい~♪と思っていた本作、幸いにも一番近くのシネコンで上映が始まり、早速鑑賞してきました。

昨日までは、毎日一緒にパブで過ごし、語り合っていた、親友だと思っていた男から、突然!「おれに近づくな、話しかけるな!」の絶交宣言・・!!
そりゃ驚きますよね。
戸惑い、信じられず、なんとか理由を聞きだすと「残りの人生を有意義に過ごしたい、作曲に使いたい。おまえの退屈な話に付き合って時間を使いたくない」・・とまあ、こういうことなんですが・・・。

すべてはうまく行っていた、
昨日までは。



その、昨日までの二人の様子は一切描かれていないのですが、島中の人々から一緒にいないことを不思議に思われるくらいだから、毎日一緒に過ごし誰もが親友同士だと思っていたのでしょう。・・・・ですが、もしかしたら「馬の糞の話を2時間する」パートリックにコルムは内心ほとほと疲れていたのかもしれないのよねぇ。もう我慢の限界だと思ったのかも。
それにしても…いきなり!?
音楽に没頭したいからお前に会うのは1週間に一度だけにする・・とか、作曲が終わるまで会わないとか、そういうんじゃなく、自分の日々、時間、1分たりともおまえに煩わせられたくないという、終活にあたっての断捨離宣言のような・・・ね(>_<)
わけがわからず、困り切って、太い眉毛を八の字にして右往左往するコリン・ファレルが・・・なんとも可哀そうになってしまうんだけど
いい人だけど察しが悪く、想像力のないパートリックの「それでもなんとかしたいんだーー」的な押しっぷりに笑いも感じていたら・・・・なんと!事態はとんでもないことに

「親友から絶交されました」という、シンプルすぎるくらいのお話なのに、驚きと不穏さと、ブラックな笑いがおり混じった・・・、すごいものを見ちゃいましたよ~~。

本土で響き渡る砲弾の音を遠く聞きながら「勝手にやってろ、なにがどうなってるのか知らんけど」みたいなことを言っていたパートリックが、ラスト、コルムの「おあいこだな」の言葉を否定し「終わりにするわけにはいかない」と口にする。
パブで必死に訴えるパートリックの言葉にホロっとさせられたり、途中、殴られたパートリックを介抱するコルムの姿にホッとしたりしたりしたりして、どうにか修復できるのではないかと思ったり、
ましてや、どちらかが絶対的に悪いなんてことはないのに。
いまや、発端や理由は関係なくなってしまった・・・・なんでこんなことに~~!?と思うことから争いって始まり、そして終われなくなってしまう。
まさに本土で起こっていることと同じように(>_<)

イニシェリン島2
イニシェリン島

イニシェリン島の自然はとても美しくて、物言わぬ動物たちにも癒されますが・・・、島民たちがみんな知り合いという(しかも嫌なヤツ多し)この閉塞感。
賢いシボーンの苦しさ、よく分かるな~。彼女の世界が広がったことは救いでした。

コリン・ファレルもブレンダン・グリーソンも、ケリー・コンドン、そしてバリー・コーガン、良かった~
アイルランドの島といえば、アラン諸島を思い浮かべますが本作でもアランセーターかな?パートリックのセーター姿チェックしました(*^-^*)コルムを演じるブレンダンはいつもコートを着ているのですが、ガタイの良い彼のコート姿は迫力がありました。いやーー、それにしても・・・・指

そして精霊・・・原題ではThe Banshees of Inisherin、バンシーというのはアイルランドおよびスコットランドに伝わる妖精で、人の死を叫び声で予告するのだそう。
アイルランドは神話や伝承の宝庫として有名なので、本作でもバンシーの化身のようなマコーミック夫人の存在も、いや、ありえるな!と思えてしまいますよ~~。


マクドナー監督、「スリービルボード」もそうでしがが、本作も、当分余韻を引きずりそうです・・・・・。
  1. 映画タイトル(あ行)
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comment

お邪魔します。

前作での3枚の看板が、今回は突然の絶縁宣言でしたね。
マジで目の上にゲジゲジ乗ってるようなコリンの眉毛に象徴される困った展開のあるあるな事ね(笑)
この監督さんはホンマに人物描写がうまい。
劇中のビールが私の好きな黒ばかりで、余計に困った島ですよ(笑)
  1. 2023/01/30(Mon) 15:24:32 |
  2. URL |
  3. ゾンビマン #-
  4. [ 編集 ]

>ゾンビマンさん

こんばんは。
突然すぎる絶縁宣言が、まさかああいう事態までいっちゃうとは・・・(>_<)
島を出ない男たち(シボーンと対照的!)の行く末が・・・なんともいえない余韻を残しましたね。
この監督さんの他の作品もっと観たいな~と今検索してました。
「セブンサイコパス」とか面白そう。

パブの黒ビール!確かに美味しそうでしたね♪2時から飲んでましたね(笑)
  1. 2023/01/30(Mon) 20:56:33 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん☆
ここまで大自然ではないのですけど、駐在の頃を思い出してましたよ~実はノルウェーで息子の幼稚園の親友がカルムっていうアイルランド人の子だったんです! 日本語ではコムルって訳していたけど、カルムって言ってたでしょう?

本当に幾らでも方法があったのに、何故絶縁にしたんだか!?まあ、そういう空気が読めないところにパードリックの欠点があったのでしょうけど(ご近所トラブルでよく聞くやつ~)お互い元々優しい人物なだけに辛いものがありましたね。
  1. 2023/01/31(Tue) 10:22:36 |
  2. URL |
  3. ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2
  4. [ 編集 ]

瞳さん、こんにちは~。
私もこの映画めちゃくちゃ楽しみにしていて、初日のレイトで観ました!
期待通り面白かったです。今年のベストに入れると思います(まだ1月ですが、多分)。
私もセーター、チェックしましたよ!
パードリックが来ていた襟付きの赤いセーターが好きです♪
アランセーターって北欧由来だとばかり思っていました。
アラン諸島ってアイルランドだったんですね(無知)。
この映画のために、手編みで2セット作られたらしいですよ~、しかも一人の方が編んだのだとか。
>当分余韻を引きずりそう
わかります~、私も反芻してます。再見したいくらい。
  1. 2023/01/31(Tue) 18:20:17 |
  2. URL |
  3. 真紅 #V5.g6cOI
  4. [ 編集 ]

>ノルウェーまだ~むさん

こんばんは。
島の大自然、素晴らしかったですね。
おお~!!息子さんの親友が!?なんてワールドワイドな素敵な思い出ですねぇ♡
あっ、そうでしたね、カルムって聞こえました。

そちらでまだ~むさんの感想読んで、頷きっぱなしでしたよ。
もしかしたらコルムも「いい加減にしろよ」的な雰囲気はその前まで出していたのかもしれないなぁ~とか、観終わってからも想像しちゃいましたよ。
あそこまでに発展する前にどうにかならなかったのか・・・と思ってしまうけれど、そこが人間の難しさよね。
  1. 2023/01/31(Tue) 18:56:43 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>真紅さん

こんばんは。
初日に観てこられたんですね!さすが、真紅さん。
コメント嬉しいです。

おお~!!ベストに!i-189私も有力ですよ!(^^)!

セーター、真紅さんもチェックされてたのね、あのセーターいいですよね。ダイヤ柄だったでしょうか!?
私もアラン諸島の位置をちゃんと知ったのは、以前「ガーンジ島の読書会」を観た時でしたよ。あの作品にもガーンジセーターっていうのが出てきて、アランセーターとどう違うんだ!?とか、両方の島の位置とか。
学校で地理を習ってた時よりも一生懸命調べたりして(笑)映画って勉強になるわ~i-235
手編みで2セット、いいですねぇ。
対するコルムの衣装は島の中で異彩を放っていましたよね。もともと島民ではないのを衣装でも表していたのでしょうね。

この作品、見返すと、また違うものが見えてきそうな気がしますね。
指のシーンは・・・ひぇ~~ですが(>_<)
  1. 2023/01/31(Tue) 19:15:16 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

こんばんは。
この地味目な映画がオスカー候補とは少々驚きましたが、
コリン&ブレンダンはお気に入り俳優なので二人の共演はniceです。
ドラマは残酷ですが景色が美しかった!!
あの美しい景色とストーリーの反比例が良かったと思いますね。
兄弟二人が同じ部屋で隣り合わせのベッドで眠る姿には笑えました。!

コリンは20代の初めから活躍してるのでもう20年以上ですね。
最近の彼は性格俳優といった趣で素敵です。
「ヒットマンズ・レクイエム」おすすめです!Amazonにあリます。
  1. 2023/01/31(Tue) 19:35:03 |
  2. URL |
  3. margot2005 #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

>margotさん

こんばんは。
コメントありがとうございます(無事コメントできて良かったです)

友達に絶縁宣言されました・・というすごくシンプルでどこででもあり得る題材(さすがに指は賭けませんが)が、ああいうドラマになる驚き!ブラックなユーモアに笑っていたら、打ちのめされましたよ。
閉鎖的でストレスたまりそうなのに、あんなに自然は豊かで美しんですものね~。

>兄弟二人が同じ部屋で隣り合わせのベッド
そうでしたよね!なかなか大人になったら、ああいう風に隣同士で寝てたりしませんよね。

コリンはいろんな監督さんから愛される、男優さんですよね。一見個性が強すぎるように見えるのに、どんな作品でも溶け込んじゃう、いいですねぇ。
「ヒットマンズ・レクイエム」、さすが、ご覧になっているんですね。絶対観ますね(*^-^*)


  1. 2023/01/31(Tue) 20:20:58 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

見てきました。面白かった〜!
『スリービルボード』もとても好きな映画ですが、これもさすがです。
人間を描くのがとてもうまい監督ですね。
コリン・ファレル、若い頃はアクション俳優の印象でしたが、この映画の彼にはすごく感心しました。彼のゲジ下がり眉をとてもよく生かしてましたね(笑)
  1. 2023/02/01(Wed) 21:57:22 |
  2. URL |
  3. tonton #-
  4. [ 編集 ]

>tontonさん

こんばんは。
tontonさんも観てこられたんですね~♪

『スリービルボード』といい、本作といい、観終わってからもず~~っと余韻を引きずる作品を作りますよね。後からもジワジワ~~くるわ。
監督の他の作品も観たくてたまらなくなりましたよ。

>彼のゲジ下がり眉をとてもよく生かしてましたね(笑)
八の字さがり眉、最高でしたね。

  1. 2023/02/02(Thu) 20:08:05 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

こんにちは。

こんにちは。

断捨離かぁ…正にコルムにとってはそんな感じだったのでしょうね。
でも、(自分には納得のいかない)理不尽な理由で断捨離される方のパードリック辛いですよね…
退屈だというだけでは罪にならないし、退屈以外ではいい奴だというのがそもそも心情的にね。コリン・ファレルはその情けない感じを上手く出していましたよね。なのに、ラストはああいう啖呵を切るのだから、男心ってホント複雑。
  1. 2023/02/07(Tue) 16:39:38 |
  2. URL |
  3. ここなつ #/qX1gsKM
  4. [ 編集 ]

>ここなつさん

こんばんは。

これがね、前日までの二人の様子とか全く見せてくれないものだから・・・、すごくいろいろ想像させられちゃうんですよね。監督うまいな~。

>退屈だというだけでは罪にならないし、退屈以外ではいい奴だというのがそもそも心情的に
そうですよね。
眉毛を下げて当惑するコリンが気の毒でね~、ロバに慰めてもらうシーンなんてほろり~としてね。

>ラストはああいう啖呵を切るのだから、男心ってホント複雑。
あぁ~!そうでしたね!!
「おあいこだな」で「そうだな」と終わらなかった~(>_<)
シボーンの誘いにも答えず、島に残り続けるんでしょうね。
さてさて・・・・この先の二人はどうなることやら・・・。
  1. 2023/02/07(Tue) 19:42:40 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん、こんにちは!
いきなりこっちは温かいよー。
これから数日続くみたい。

ああいう処で一生暮らすのってキツイよねー。
解るんだけど・・・
でも、やっぱり指はちょっと・・・。

そんな中、紅一点の女性の部分は少し救いもあったかな。

今年はコレがアカデミー賞取るのかな・・・

PS 今週の朝が来た、見た?

今回TBダメだったみたい。
  1. 2023/03/07(Tue) 15:06:41 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

こんばんは。
暖かいね~!ビックリするくらい。来週はちょっと寒の戻りがあるみたいだけど、もうすっかり春を感じますね~♪

美しい島だけれど、みんな知ってる人ばかりで息苦しく感じるのが分かるよね。
うんうん・・・指~~(アワワ・・・)

妹さんの強さと旅立ちが救いだったよね。
アカデミー賞、どうなんだろう?個人的にはコリン・ファレルの男優賞、応援してます(*^-^*)

あ!今週のはまだ観てないのよ~、latifaさん、観たのかな?
TB、出来てるみたい。いつもありがとう♡
感想読みに行きますねーーー、ダッシューー!

  1. 2023/03/07(Tue) 20:51:02 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

この映画のロケ地であるイニシュモア島に行ったことがあります。

https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/020b6369a01903d3b13bd57e70704da9

旅行者の女性2人と知り合いになれて、なかなか楽しい旅行でした。でも次に行く機会があるのか…。

瞳さんは、『ライアンの娘』はご覧になりましたか。私にとってこの映画と『マイケル・コリンズ』が生涯ベストの映画です。
  1. 2023/03/23(Thu) 20:20:31 |
  2. URL |
  3. Bill McCreary #-
  4. [ 編集 ]

>Billさん

こんばんは。
なんと!イニシュモア島に行かれたことがあるんですか~!!
リンクありがとうございます。
ゆっくり読ませていただきますね。

『ライアンの娘』昔観たことがあるのですが、海岸のシーンがとても美しかったですよね。もしや、こちらのロケ地にもいかれたことがあるのかしら?
『マイケル・コリンズ』は未見です。Billさんの生涯ベストなのですね、それはぜひ観なくては~!!
  1. 2023/03/24(Fri) 21:10:08 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>こちらのロケ地

映画の舞台になったディングル半島は行ったことはありませんが、オープニングでロージーが傘を落とした「モハーの断崖」にはいきました。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%96%AD%E5%B4%96

https://blog.goo.ne.jp/mccreary/e/a79d97d52f3231513977c0dfeeb489bc

この時は、金もものすごくかかりましたが、計12日間の休暇を取り行きました。我ながら無茶な休暇を取ったものです(苦笑)。
  1. 2023/03/26(Sun) 21:33:16 |
  2. URL |
  3. Bill McCreary #-
  4. [ 編集 ]

>Billさん

お返事ありがとうございます。
「モハーの断崖」に!!すごいですね~!!
Billさんはアイルランドのいろんなところに行かれてるんですね。
リンクありがとうございます。

12日間~!!ロングバケーション~~♪
た~っぷりまわることが出来たでしょうね。
忘れられない休暇ですね。

  1. 2023/03/27(Mon) 20:23:03 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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ネタバレ「イニシェリン島の精霊」

うーん、、、それほどでも・・・ 3つ★半
  1. 2023/03/07(Tue) 14:58:43 |
  2. ポコアポコヤ 映画倉庫