
山間に住む羊飼いの夫婦イングヴァルとマリア。
ある日、二人が羊の出産に立ち会うと、羊ではない何かが産まれてくる。
子供を亡くしていた二人は、"アダ"と名付けその存在を育てることにする。
奇跡がもたらした"アダ"との家族生活は大きな幸せをもたらすのだが、
やがて彼らを破滅へと導いていく—。
<公式サイト ストーリーより>
※↓ストーリー細かいところに触れています。未見の方はご注意くださいね。
ホールソレイユで上映が始まった(10月28日~)、アイスランド・スウェーデン・ポーランド合作作品『LAMB ラム』観てきました~♪
11月3日祝日、11時20分からの上映は圧倒的に女性が多く賑わっていましたよ~。
アイスランドが舞台の本作、まず圧倒的なその自然に息を呑みました。雄大~というより、恐ろしくそびえたつ山々、白い霧、川の流れもどこか怖さを感じさせるかのよう。
まるで神々の住む天とどこか繋がっているんじゃないかと思わせるこの舞台・・・・だからこそでしょうか。このなんとも不思議すぎる、奇抜すぎる物語が決して嘘っぽく浮つかず、ズンズン・・・という重厚感まで持って迫ってくるのは。
イングヴァルとマリア夫妻がある日取りあげた羊の赤ちゃん・・・は、羊の顔なのに羊ではない。いや、普通はここで「ひぇ~!!」とかなんとか驚くはずなのですが、夫婦はわけあり気に見つめあうだけ。やがて二人はアダと名付けて育てることに・・・。
この映画、とにかく説明がないんです。台詞もとても少ない。
夫婦には亡くした娘(アダ)がいるらしいことも(壁に少女の写真が貼ってあったけれど、カメラは決して寄ってはいかない)
後に登場するイングヴァルの弟とマリアとの間には以前にもなにかあったのだろうということも、決してはっきりとは描かれないんですね~。
セリフも説明も少ない映画が大好きだーーーー!と常々公言していますが

いやーー、久々にここまで説明されない映画を堪能したナ~。
そして雰囲気に弱い私は、この厳しい自然と、どこからか聞こえてくる・・・荒々しい、この世のものとは思えない息遣いの不穏さにドキドキ・・・。怯える羊、犬や猫の動作までが・・・何かが起こりそう、起きるんじゃ?起きてしまう~~!!という、ザワザワした不穏なムードに翻弄され続けましたよ。
でもだからといって怖さばかりか・・・と言われると、なんとも不思議なシュールさというか、可笑しさを感じる場面も多いんですよネ。
やってきたばかりの(夫の)弟が驚きに目を見開いているのをしり目に、普通にアダを食卓に呼び一緒にご飯を食べるシーンや、TVでサッカーの試合に熱くなったり・・・。あの弟の昔のミュージックビデオ?のシーンも面白かった~。
最初こそ、ええ~っ!?と思った(羊から生まれた)アダが、成長とともにどんどん可愛くて(猫を抱いて食卓に座ってるシーンの不思議可愛さよ)娘を亡くしているイングヴァルとマリアに寄り添って観ていたせいでしょうか、もうこのままでもいいのではないか~~と思えてしまったのですが・・・・・・
タブーを犯した罪はやはりかえってくるということでしょうか(>_<)
母羊を排除してしまった身勝手さや、アダも鏡に写った自分の姿をどう受け止めていたのだろうか・・?と思うと、夫妻が選び、望み、幸せな日々のために犯したタブーは許されるものではなかったということなのでしょうか。
いや、けどさ~~、だったらすぐに連れに来いよ~!!と思ってしまう私。なんだか悶々と考えてしまう。
自然界には人間が手をいれてはいけない領域がある……ということなのでしょうね。
マリア役のノオミ・ラパスはもともと大好きな女優さんなんだけれど、本作の彼女の美しさにはとても驚きました。
彼女って、これまでの作品でも子どもを亡くした役ってすごく多いのネ・・・。静かに深い悲しみを抱える女性が似合う、けれど、強さもそれ以上に感じる女優さんです。
あまりにも悲しいラストシーンでしたが、それでも私にはマリアはきっとどうにかして、また立ち上がれるのではないか・・・とそう思えたのでした。

ものすごく不思議な物語でしたが、これは強烈だったな~~。このあまりにも雄大すぎるアイスランドの自然も映画館で観れて良かった。
眠れない夜には「羊がいっぴき、羊がにひき・・・」
いやいや、この映画を思い出したら、眠れる夜も眠れなくなること間違いなし!(^^)!
- 映画タイトル(ら行)
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瞳さん☆
何とも不思議な映画でしたよね〰️
「ミッドサマー」もそうだったけど、北欧には人間が作った神(キリスト)とは別の何か自然の不思議な力とか、魔力とか脅威なんかを感じてしまいますよね。
ノルウェーの山の方はもうまんまこの景色です。ここは森林限界で高い木がないけど、逆に森に入ると何とも恐ろしく本当にトロール出る‼️って思いますもん。
そんな雰囲気を存分に味わえる映画だったと思います。
- 2022/11/03(Thu) 22:54:45 |
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- ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2
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瞳さん、こんばんは。
この映画、私もとっても気になっています。
説明が少なく、見るものに考えさせる作品は私も好きなのですが
ひょっとしたらそこまで説明がないのでしたら、
とんでもない思い違いをしてしまいそうな不安もありますが...
この作品の神秘の世界に触れてみたいです。uu*
- 2022/11/03(Thu) 23:06:12 |
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- セレンディピティ #.usTzc9U
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さすがはホールソレイユ。
そうして映画が地方を周り、その地で盛り上がるというのが映画ファンとして嬉しいですわ。
近年、人間が勝手ばかりするので、動物との関係性を描いた映画が多いのですが、これは変化球のようで剛速球なところが良かったですね。
何よりも、雄大な自然が説得力に貢献していて。
ノオミ・ラパスはホンマにハズレない女優さんで、あのヌードだって、ちゃんと内容的に意味があるから凄いです。
- 2022/11/04(Fri) 07:29:52 |
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- ゾンビマン #-
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>ノルウェーまだ~むさん
おはようございます。
>北欧には人間が作った神(キリスト)とは別の何か自然の不思議な力とか、魔力とか脅威なんかを感じてしまいますよね。
まさにまさに~!!そうですよね。この舞台あってこその物語だったと思いました。ラムマン現れても不思議じゃない。
ノルウェーの山の方、そうなんですね~!!美しいをとおりこしてなんか怖いくらいに思っちゃいます。
トロール、出そう~。
観終わってからもすごくいろいろ考えさせられる映画でしたよね~。
- 2022/11/04(Fri) 09:54:50 |
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- 瞳 #-
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>セレンディピティさん
おはようございます。
セレンさんも説明が少ない映画お好きっておっしゃってましたよね。ぜひ本作観ていただきたいです~。
私もどうとらえていいのやら~といろいろ考えてしまいましたが、それぞれのとらえ方できっといいのかな。
ネイチャースリラーという風にコピーされていましたが、監督はインタビューで「これはシュールな家族の物語なんだ」と語ってましたよ!
シュールすぎるよ、監督!(笑)
- 2022/11/04(Fri) 09:59:27 |
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- 瞳 #-
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>ゾンビマンさん
おはようございます。
さきほどそちらにお邪魔してレビュー読ませていただきましたよ。コメントありがとうございます。
カメラワークも素晴らしかったですよね。ゾンビマンさんも書かれてた冒頭、空からぐ~~っと寄っていくシーンから心掴まれました。
>人間が勝手ばかりするので、動物との関係性を描いた映画が多いのですが、これは変化球のようで剛速球なところが良かったですね。
なるほど~!!確かに摩訶不思議なようで・・・真っすぐバシーン!ときましたよね。
本作を観てますますノオミさんのファンになりました。
とても観たかった作品なので、ソレイユさんに大感謝です♡
昨日はすごくたくさん観にきてて嬉しかったです。女性がね!とっても多かったんですよ~!!
- 2022/11/04(Fri) 10:11:35 |
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- 瞳 #-
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うわ〜瞳さんも見られたんですね。
これは自然の描写が迫力なので、やはり映画館で見たい映画ですね。
確かにスリラーといえばそうなんですが、それ以上に不思議な映画でした。
>眠れない夜には「羊がいっぴき、羊がにひき・・・」いやいや、〜〜〜
あははは、たしかに〜。この映画思い出したらよけい眠れなくなりそう(笑)
アダちゃんはとってもかわいかったのですが、正直、普通の羊は思いのほか顔が怖いのを発見!(汗)
- 2022/11/04(Fri) 20:53:38 |
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- tonton #-
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>tontonさん
こんにちは。
これ絶対観たかったんですよ~!!
自然描写、圧倒的な迫力で迫ってきましたよね。畏敬の念さえ感じたわ。
そうでしたよね~、スリラーでもありましたが、不思議で怖くて、時々オカシクて・・・めちゃめちゃ気持ち持っていかれた映画でした。
私も思いましたよ!羊の顔ってアップで見ると結構怖いのね・・!あの顔で迫ってこられたら・・・。
- 2022/11/05(Sat) 15:39:34 |
- URL |
- 瞳 #-
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瞳さん、こんにちは!
今、、青ざめてる・・・。
昨日こちらにコメント残したんだけど、反映されてない・・・。それはいいんだけど、私のことだから、別の方のブログにコメント残して来ちゃったんじゃないか?と・・。今履歴見たら、確かにここには来ていて、書いた文章もだいたい覚えてるんだけど・・・。
とりあえず、もう一度トライ。
これ、映画館で鑑賞されていたのねー
これは劇場鑑賞に向く映画よね。
この世界、風景にずっぽり入り込んで見るとより一層楽しめる作品かと。
それとね、コミコン。
どんなのかな?って検索してみて、3日間かな?オーリーとマッツさんの出る日の、リアルタイム検索とかしてみたのよー。
お二人とも凄く日本びいきで、カッコ良くて良い感じで、一緒に写真撮ってる人とかのツイッターとか見て、興奮状態とか伝わって来て凄く微笑ましかったよー
あの場に瞳さんもいたんだなーと思って、ほんとに羨ましいー!!
また落ち着いたら、感想とかアップしてね。
楽しみにしていますよ♪
(って感じの文章だったの。 映画だけじゃなくて、コミコンの事をメインに書いてたのよね・・・汗)
- 2023/05/09(Tue) 07:15:23 |
- URL |
- latifa #SFo5/nok
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>latifaさん
こんばんは。
えっ!!コメント昨日入れてくれてたのね!!あっ!そういえばTBは昨日付けで入ってますよね。
コメントどうして反映されなかったのかしら・・・。
>別の方のブログにコメント残して来ちゃったんじゃないか?
きっと、きっと大丈夫!!
コメントはうちに入れてくれたけど(なぜか)反映されなかった・・んだと思います。再度入れてくれてありがとう♪
本作はどうしても劇場で見たくて!!そうそう、映画館で見れて良かったなぁと思いました。
あの寒々とした、そして天とどこかつながっているかのような舞台、映像&カメラワーク素晴らしかったですよね。
コミコン、おお~!!リアルタイム検索!!
>お二人とも凄く日本びいきで、カッコ良くて良い感じで、一緒に写真撮ってる人とかのツイッターとか見て、興奮状態とか伝わって来て凄く微笑ましかったよー
マッツも(遠目だけど 笑)オーランドもとってもカッコ良かったです。
なにせ、初コミコンでよくわかってなくて、入場からしていろいろ失敗(違うところに並んでたりした!)したわ!(^^)!
人の多さにも圧倒されたけど、サイン書いてもらって一緒に撮影もして・・・。
(自分の顔は置いといて 笑)スマホに入れた写真を見て夢じゃなかったんだ・・と確認してます(笑)
まだこちらでは記事挙げれてないんだけど、一応日記ブログの方は書いてるので、もし良かったら覗いてみてね~。
http://otyauke.blog95.fc2.com/blog-entry-1196.html
- 2023/05/09(Tue) 20:51:34 |
- URL |
- 瞳 #-
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ここはどこだろう?と思いきや、アイスランドなのね。
- 2023/05/08(Mon) 10:12:11 |
- ポコアポコヤ 映画倉庫