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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「ナイトメア・アリー」 :: 2022/07/06(Wed)

ナイトメア・アリー

1939年、アメリカ。
故郷を後にし、行く当てもないままバスに乗ったスタン・カーライルが降り立ったのは終点の町。怪しげなカーニバルと出会ったスタンは、やがてそこで働くことになる。
読心術のテクニックを学び、自信をつけた彼は、電流ショーをしていたモリーを連れて一座を離れ、2年後、二人はホテルでお金持ちを相手に読心術のショーを披露し成功を収めていた。
ある日、ショーに現れた美しくエレガントな心理学者リリスは、彼らのトリックを見破るが・・・。


ギレルモ・デル・トロ監督作品、映画館行けなくて残念~~(>_<)

燃える炎がまるで美しい絵のようで!不穏な始まりに圧倒された冒頭のシーンから心掴まれました。
繊細だった10代の頃、レイ・ブラッドベリの小説を愛読したあまり、カーニバルと聞けば、超自然的な何かが起こる場所でしかない!と今でも思ってしまいます。そんなブラッドベリの書いたカーニバルの世界そのままのような、懐かしくて怪しげで美しい!!デル・トロ監督のカーニバルワールドは期待通りでした。

カーニバル

楽しげで、怪しくて、ちょっと怖くて・・・目を逸らしてしまう、けれど、覗かずにはいられない、ナイトメア・アリー(悪夢の小路)というより、禍々しいラビリンスのよう。
獣人(ギーク)の作り方、衝撃~!!

ナイトメア4
かと思えば、雨の夜の回転木馬でのダンス♪なんていうロマンチックシーンもあったりするんですよ~♡
前半のこのカーニバル一座でのスタンは、秘密を抱えて影もあるけど、どこか少年っぽさがあったり、機転も利いて、魅力的なのよね~。

それだけに…中盤から後半、分かってはいたけれど破滅へとたどってしまう姿が見ていられない~~(>_<)
ナイトメア2
「あなたのことは分かっている」なんてリッター博士に言い放っても・・・いやいや、かないっこないオーラがケイト・ブランシェットから出てるから
映画の中ではダメな男にいつも肩入れしてしまう(現実はノー!ですが)ので、スタンの小物感というか、こずるさがなんとも哀れに見えてきてしまったのは私だけかな自分の能力を過信しすぎ、手を出してはいけない幽霊ショーをやり、現実をまともに見ることができなくなったスタン。
もちろん自業自得だし、愛よりお金を選んだ彼の行きついた先は・・・あぁ、やっぱり。

見世物小屋から都会へ。世界観は一変するのだけれど、禍々しいように思えるカーニバルの世界より、洗練された都会の方が、内に眠る怪物を目覚めさせる舞台になる皮肉さ。
リッター博士の胸の傷!!!最後にスタンと対峙した彼女の目に浮かんでいた涙は何に対してだったんだろう?
どこまでも謎めいて強烈、ケイト・ブランシェットのオーラ恐るべし。
本作は監督作品にしては異形のもの、モンスターがあまり登場しない作品ではありましたが、その分、人間の内に潜む見えない“怪物”を感じました。

本作は1946年に出版されたウィリアム・リンゼイ・グレシャムのノワール小説「ナイトメア・アリー 悪夢小路」が原作だそうなのですよ!これはぜひ読まなくては~!
たぶん、原作にはあの「エノク」は登場しないんじゃないかな~と想像しています。
全編通して何度も登場し、ホルマリン漬けの瓶の中から、破滅へと向かっていくスタンを見つめ続けているかのようなエノク・・・、開いてもいないかのようなその目がまるですべてを見透かしているかのようでした。

デル・トロワールドの映像美&キャスト陣の演技、堪能しました。ウィレム・デフォー、唸るほど似合ってた(笑)
  1. 映画タイトル(な行)
  2. | trackback:2
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comment

瞳さん☆
ギレルモの世界観たっぷり堪能できましたよね☆
まさに人生のラビリンス。
最後は袋小路に追い詰められましたが、彼の高笑いが実に印象的に見事でした。
そもそもケイト・ブランシェットを騙せると思ったあんたが間違いだよ、とつい思ってしまいました(爆
  1. 2022/07/06(Wed) 21:29:44 |
  2. URL |
  3. ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2
  4. [ 編集 ]

こんにちは

こんにちは。
これは怪しくて禍々しくて、監督の世界観がよく表されていた作品でしたよね。
自分自身、ものすごく小さかった頃にはまだ「見世物小屋」とかが存在していた記憶があるので(親からは絶対に見せてもらえなかった)、このカーニヴァルには恐怖と期待とがないまぜになったような心持ちになりました。
さっすがギレルモ!
  1. 2022/07/07(Thu) 09:06:27 |
  2. URL |
  3. ここなつ #/qX1gsKM
  4. [ 編集 ]

私的には中盤以降が意外な展開でしたので、結局はソコかいというラストに昭和を感じで少し安堵した(笑)
やはり移動カーニバルの世界というのは、私が若い頃に経験したタコ部屋の出張先にも似ているので、何とも言えない魅力がある。ブラッドリー・クーパーがトニさんにどんな仕事ぶりなのか気になりました(笑)
  1. 2022/07/07(Thu) 09:36:49 |
  2. URL |
  3. ゾンビマン #-
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>ノルウェ―まだ~むさん

こちらにもコメント、ありがとうございます。
さすが、ギレルモでしたね~。期待通りの世界観でゾクゾクしました。

ブラッドリー・クーパー、これまでそこまで好きな俳優さんではなかったのですが、本作の役素晴らしかった!!
あの表情、笑いは忘れられませんね。

>そもそもケイト・ブランシェットを騙せると思ったあんたが間違いだよ
そうそう!もう最初っからコモノ感アリアリでしたよ~。肝がすわったケイト・ブランシェットに絶対、敵いっこないから!(^^)!
  1. 2022/07/07(Thu) 20:18:34 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ここなつさん

こちらにもコメントありがとうございます。

>自分自身、ものすごく小さかった頃にはまだ「見世物小屋」とかが存在していた記憶
ありました!ありました~!!
怪しげな絵とか描かれててね、なんだろう?と不思議に思いましたが、うちも見せてはもらえませんでした。いったいどんな中身だったんでしょうね!?

監督ならではの世界観が見事に発揮された作品でしたよね~♪そしてキャストも素晴らしかったです。
  1. 2022/07/07(Thu) 21:00:24 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ゾンビマンさん

こんばんは。
おお、ゾンビマンさんには後半意外でしたか!?
確かに舞台も変わってしまうし、そうなるんだろうなあという破滅への道をそのまま突っ走ってしまいましたね。
監督ならではの、ちょっと捻った方向に行かなかったのは、やはり原作ありきだったからでしょうか。

ケイト・ブランシェットのオーラが凄かったので、感想に書いていませんが、トニ・コレットも良かったですよね~!(^^)!
コメントが入れられなかったのですが、ゾンビマンさんのレビュー読んで、すっごく納得でしたよ!!
「下から上を見る謙虚で明るい姿勢」ああ~!!きっと私も前半のクーパーのそういうところに惹かれたんだと思いましたよ。
  1. 2022/07/07(Thu) 21:17:04 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん、こんにちは!

>レイ・ブラッドベリ カーニバルと聞けば、超自然的な何かが起こる場所   ブラッドベリの書いたカーニバルの世界そのままのような、懐かしくて怪しげで美しい

そーなのね!
ブラッドベリのこと、ちょっと調べたら、1947年、処女短編集『黒いカーニバル』っていうの出されているのかー。
若い頃に瞳さんが読んでいて、印象に焼き付いている世界が舞台の作品ってことで、きっとそれだけでも満足がいく映画だったのかもねー。

PS 私も見世物小屋を見れなかった一人だよ、親がダメって言って、そのまま見れずに大人になっちゃった。
  1. 2022/07/08(Fri) 06:32:49 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

こんばんは。

ブラッドベリ、10代にハマった作家さんの一人なんだけど、詩的で抒情的で・・・美しいのにブラックで怖い。はまると抜けられない魅力があるんですよ~。
SF作品も「華氏451度」とか「火星年代記」とか有名です。
カーニバルが登場する短編とかも多くて、それがもう!!どれもしずか~~に何かが起こる・・・ので、そういうイメージが沁みついちゃいました!(^^)!
そういうのを思い出しながら本作、楽しめましたよ~♪

latifaさんも一緒ね~!!
たいてい親はダメっていうよね。もし、今でもあったりしたら・・・やっぱり私も子どもに見てもイイよ~とは言えないかなぁ(自分はこっそり見ちゃう 笑)

超自然的というか、抒情的というか、
  1. 2022/07/09(Sat) 21:56:56 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん、こんばんは。
ナイトメアアリー... こういうお話だったのですね。
映像の怪しげな雰囲気にのまれて、劇場で見損ねてしまいましたが
お話をうかがうととってもおもしろそうです!
そうか、ギレルモ・デル・トロ監督の作品だったのですねー。
なるほど納得です。

ちょっとヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベールの
「プレステージ」を思い出しました。
結末が気になります。
  1. 2022/07/13(Wed) 00:14:04 |
  2. URL |
  3. セレンディピティ #.usTzc9U
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悪夢小路

瞳さん、こんにちは〜
毎日ムシムシして暑いですねー(>_<)
セミの声もだんだんにぎやかになってきました

オープニング、つかみはOKでしたね!
いったい何があったのかって、興味津々(笑)
カーニバル、怪しいけど美しさもあって、いい雰囲気でしたね^ ^
ギークって作っちゃうんだー@@びっくり!
得意気に語るデフォーが恐い(^◇^;)
カーニバル一座でのスタンは、生き生きしてけっこう楽しそうでしたね、モリーともいい感じでまだ好感度が少しありました(笑)
リッターに出会ったのが運のつき(・_・;
都会の怪物たち、恐かったですね(^_^;)
以前聞いて心に残ってる「…いい風に吹かれるためには、いい風が吹いてる所に自分から行かないとだめ…」という高倉健さんの言葉を思いだしました。スタンは逆を行っちゃった(>_<)
私もキャスト陣の演技を見るのが楽しかったです♪デフォーさすがですね!^ ^
  1. 2022/07/13(Wed) 15:36:28 |
  2. URL |
  3. ポルカ #-
  4. [ 編集 ]

>セレンディピティさん

こんばんは。
映像怪しげですよね~!(^^)!
ふふ、そうなんです!ギレルモ・デル・トロ監督なので、怪しくも美しいカーニバル!!ぴったりの世界観でした。

キャストもとっても良かったですよ~♪
ケイト・ブランシェットとルーニー・マーラ、「キャロル」を思い出しますよね。
本作ではああいう雰囲気では全くありませんでしたが(>_<)
ケイトのオーラが凄かったです。

おお!!「プレステージ」懐かしいですネ。
なんだか見返したくなってきました(*^-^*)

「ナイトメアアリー」のラストは・・・!予想できちゃうのですが、衝撃的でもありました。ブラッドリー・クーパーの表情に見入りました。


  1. 2022/07/14(Thu) 21:43:43 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ポルカさん

こんばんは。
ちょっと雨も続いて蒸し暑くなりましたね。
蝉の声、我が家の庭でも鳴き始めました(*^-^*)夏本番ですねぇ。

オープニングの映像、驚きましたよね。炎が怖いけど、すごく美しくて絵のようでしたよね。
カーニバルの映像、監督なら絶対ぴったり~!!って思う世界観、さすがですよね。
そうそう、ギークの作り方(>_<)

前半、スタンは出し物とか考えたり、セットも作ったりしていい感じでしたよね。
なのでねぇ、後半の転落っぷりが悲しかったわ。
そうそう、ケイトに目をつけられちゃいましたね・・・。
ある意味、都会の怪物たちはギークよりもずっと怖いワ。

>「…いい風に吹かれるためには、いい風が吹いてる所に自分から行かないとだめ…」という高倉健さんの言葉を思いだしました。
おお~!!健さんらしい言葉ですね。そうそう、スタンは悪い風の方に行っちゃいましたよ。誠実に尽くしてくれるモリーよりお金に目がくらみましたね。

キャスト陣、お見事でしたね。
デフォー!!あまりにもぴったりで観ながらニヤニヤしてしまいましたよ(笑)

  1. 2022/07/14(Thu) 21:53:58 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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「ナイトメア・アリー」ネタバレ感想

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  1. 2022/07/08(Fri) 06:20:58 |
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「ナイトメア・アリー」

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