2009
02.03

「まあだだよ」

まあだだよ [DVD]まあだだよ [DVD]
(2008/05/23)
松村達雄香川京子

商品詳細を見る


珍しく息子が録画して欲しい映画があるというので、何かと思ったらこの「まあだだよ」だった。
最近、内田百の本を読んで興味を覚えたらしい。
う~ん、相変わらず渋い趣味をしていること♪


作家内田百と(彼の教師時代の)教え子たち。
執筆に専念したいと百が学校を去った後も、生徒たちは先生の家に足しげく訪れる。

先生が引越しをすると聞けば手伝いに訪れ、
還暦の祝宴を開いてなべをつつき、
一緒に酒を飲み、先生の話にみなが笑う。

空襲のために掘立小屋暮らしを余儀なくされた先生のためには、新しい家を作り
飼い猫がいなくなって先生が落ち込んでいると聞くと、ネコを探してまわる・・・。


いい生徒たちだよねぇ~~!!
こんな教え子たちを持てば、先生冥利に尽きるというもの!!
でも生徒たちからしたら「金無垢な先生」のために何かをする・・ということが、それはもう嬉しそうなのだから。
なんとも羨ましい関係ですよね。

これほど生徒たちから慕われる百先生。
松村達男さんが演じる、この先生、なんともいえない「味のある」人物でした。

ちゃめっけ・・というか、洒落っ気のあるその語り。
還暦の祝いの席の「馬鹿なべ」の話や、後に生徒たちが開く『摩阿陀会』でのスピーチも。
ついつい、引き込まれてしまうユーモア溢れるその語りに、次は先生どんな話をするんだろう・・と思わずこちらも期待してしまう(笑)

のんびり、ゆったりした映画のペースにも、なんだかどんどん心地よさを覚えてしまう。
空襲で家を焼かれ、三畳一間の掘立小屋(まさに・・もう小屋!!)!でもそこに訪れた生徒たちと酒を酌み交わしていると空にはまあるいお月様。
「まあるい、まあるい・・まんまるい~~♪」と先生は歌いだす・・。

『摩阿陀会』でもお月様(つくりものの)が登るシーンがあったけど、なんだか私には先生は、このまあるいお月様・・のような存在じゃないかな・・って気がしました。

きっと学校で教えていたときも、こんな風に機知に富んだユーモアもたっぷりに暖かく生徒たちを見守っていたんだろうなあ・・って思いました。
ネコのシーンでは、生徒たちに弱音も見せる・・そういう人間味のあるところも、またほっとけない魅力なんでしょうか。

そして、先生の周りに集まる生徒たち、彼らもいい味だしてました。
監督はどうして所さんを抜擢したのかしら・・と思ったけれど、そのミスマッチ?と思える雰囲気が、逆に不思議な面白さを出していましたね。

学生時代の友達・・って、やっぱりいいな~って彼らを見ていたら、そう思います。

ノリノリ、にぎやかな『摩阿陀会』もシーンも可笑しい。
まだあの世にはいかないよ・・と「まあだだよ~~」と歌う先生のユーモアとそれを受ける生徒たち。
「まあだだよ」まあだだよ・・と言い続けて17年!!
17回目の『摩阿陀会』で先生は教え子たちがつれてきた子どもたちに「みんな、自分が本当に好きなことを見つけてください・・」と語りかけます・・。

百先生自身も好きなことを見つけて人生を楽しんだ・・・、そして、黒澤監督もまた映画という無二のものを見つけて輝いた・・・。
この先生の言葉は、(この作品が遺作となった)監督からのメッセージでもあったのかもしれない・・と
そんな風に感じました。

内田百の小説、息子に借りて読んでみようかなあ~。


トラックバックURL
http://teapleasebook.blog26.fc2.com/tb.php/137-d1a3f22f
トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
back-to-top