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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




月イチ★クラシック「暗くなるまでこの恋を」 :: 2022/01/31(Mon)

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フランス領レユニオン島でタバコ工場を営むルイは、文通を重ね、写真でお見合いした女性と結婚することを決意し、島を訪れることになった彼女を迎えに行くが、そこに現われたのは写真とはまるで別人の美女だった。
戸惑うルイに彼女は、叔母の写真を使ったこと、言い出せずにいたことなどを謝罪する。
その言葉をすっかり信じ込み、ルイは彼女と結婚するが・・・・やがて驚くべき事実が判明し、全財産を持ち逃げされてしまう・・・・。


TSUTAYAの発掘良品コーナーで遭遇~HDリマスター版ということは新入荷なのかな?
フランソワ・トリュフォー監督作品、ジャン=ポール・ベルモンドとカトリーヌ・ドヌーブの共演♡しかもしかも原作はウィリアム・アイリッシュときたら・・・・手に取らないはずありません(*^-^*)
1969年制作のフランス映画、2022年最初の月イチ★クラシックにお迎えしました(笑)

いわゆるファム・ファタールに騙され、全財産を失ってしまった男が彼女の行方を追い復讐しようとする・・・というミステリアスな展開なのですが、
ミステリーというよりは、お金が大好きで男を翻弄しつつも、愛らしく魅力的な女と、そんな彼女を“どんなに騙されつづけても、愛し続けてしまう男”の理屈では説明しきれないラブストーリー♡
こういうの観るとやっぱり男女の間の感情こそがミステリーだわ!!と思っちゃいます。

文通をつづけてきた男女が結婚を約束し(写真は交換しつつも)初めて会うことになった日、写真と全く違う美しい女性が現れただけでもう、すでに怪しすぎるのですが・・・、彼女の美しさ、魅力に男は抗えない。
若草色のようなワンピースを着て柳の枝でできた鳥かごを持つ若きドヌーブのそれはもう、愛らしいこと。

ただ、男はベルモンドなので・・・観ているこちらとしては、騙されて気の毒というよりは、彼なら大丈夫ではないか!?と思ってしまって(笑)逞しいし、セクシーだし、財産失ってもいけそうなんて思ってしまう
もしや、これミスキャストかしら!?(笑)
いやいや、でも、この二人の共演、それだけでもう、美味しい。
ベルモンドが指でドヌーブの顔をなぞりながら「君の顔はひとつの風景だ」なんていうんですから!!

トリュフォー監督、本作はヒッチコック風に撮りたかったのかな~。「めまい」を思わせるような場面があったりするのですが、
ドヌーブが突然戸外で裸着替えしちゃって通りかかった車が(見惚れて)ハンドル切り損ねたりするシーンとか、
ルイが彼女が泊っているホテルを突き止め、手すりや窓枠を掴んでひょいひょいっと登って行ってしまうシーンとかもあったりする。こちらはベルモンドならではのサービスシーンでしょうか(笑)

中盤までの急展開に比べると、後半お話が単調になりすぎているのが勿体ない。
ドヌーブもそこまで悪女に見えない上に(何度もいうけれども)ベルモンドは逞しすぎるので堕ちていく恐さとかがそれほど感じられなかったのですが、
追い詰められた二人がスイスの山小屋で過ごす、最後のシーンは切ないものがありました。
「愛は喜びと苦痛だ」
いやーー、そこまでの愛は・・・知らなくてもいいナ・・・・
吹雪舞う白い雪景色、手を取り歩く二人の姿にFINの赤い文字が鮮やかに浮かび上がる・・・、未来は全く見えないけれど、美しいラストシーンでした。


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こちらが原作、アイリッシュの『暗闇へのワルツ』気になりすぎるので図書館へGO~!!書庫から出していただきました!(^^)!

陽は輝かしく、空は青く、時は五月。ニューオーリンズはまさに天国だった。


このはじまりから490ページもある長編でしたが、一気に読んでしまいました。
ジュリアを名乗ったポニーの悪女っぷり、憎んだはずの彼女に翻弄され、矛盾を感じながらも抗えない愛を捧げる男・・・、会話のリズム、文章から漂う詩情、アイリッシュらしいムードとサスペンスに酔わされました。

(著者の他の作品のような)ミステリー的な驚きやドンデン返しなどはない物語なのですが、まるでポニーに囚われたルイスのように、二人の物語の行く末にのめり込みんでしまう。
悪女が最後の最後、男の愛にようやく目を覚ます・・・けれども映画とは違ってこちらの最後はあまりにも哀しい。
その哀しさが心にいつまでも残って離れない。

結婚式の日、なめらかで円滑で、美しいワルツのような人生を送ろうと話した二人、けれどもそのワルツはしだいに暗闇で踊るような、不穏なものになっていく・・・。それでも手を取り、踊ることをやめられない男と女。
『暗闇へのワルツ』このタイトルもとても良かった。
未読だった1冊、アイリッシュの魅力をまたひとつ知ることが出来ました。
  1. 月イチ★クラシック
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comment

瞳さん、こんばんは。
この映画、おもしろそう!
いかにもフランス的な...と思いきや、原作はアメリカの小説なのですね。
ジャンポールベルモンドとカトリーヌドヌーヴの
ちょっぴり切ないラブストーリー...見てみたいです。
なぜ彼女が彼をだましたのか? その真相も気になります!
  1. 2022/02/02(Wed) 22:49:36 |
  2. URL |
  3. セレンディピティ #.usTzc9U
  4. [ 編集 ]

>セレンディピティさん

こんばんは。
いつも記事を読んでくださってありがとうございます。
ベルモンドとドヌーブの共演というだけでも嬉しいのに「幻の女」のアイリッシュの原作と知って俄然楽しみな作品でした。
そうなんです、雰囲気フランスっぽいですよね。原作の舞台はニューオーリンズなのですが、映画はフランス領レユニオン島に。
切なさでは断然原作の方が上でしたが(笑)ベルモンドとドヌーブのラブシーンはとっても素敵でドキドキしましたよ~。真相は実は割とあっさりしたものなのですが(>_<)悪女と分かっても愛し続ける・・・男と女の仲ってやっぱりミステリーですね。
  1. 2022/02/03(Thu) 19:27:58 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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