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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「マーティン・エデン」 :: 2021/06/15(Tue)

マーティンエデン

イタリア・ナポリの労働者地区に生まれた貧しい船乗りの青年マーティンは、上流階級の娘エレナと出会い、彼女と彼女の住む世界に想いを寄せる。
文学に目覚め、独学で作家を志すようになったマーティンだが、教育を受けていない壁は厚く、送り続ける執筆作品も次々に送り返されてしまう。
生活は困窮し、身体も疲労困憊、ついには倒れてしまったさなか、転機は訪れる・・・!




『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』のヒール役が強烈だったルカ・マリネッリの主演作ということで、絶対観る♡と決めていました(*^-^*)
アメリカの作家ジャック・ロンドンの自伝的小説を映画化した作品、
ジャック・ロンドンの著作は『野生の呼び声』『白い牙』の2作しか読んだことがありませんが、作家自身についてはほとんど知らなかったので労働者出身であり、教育も満足に受けていなかったこと、若き日に多くの仕事に就きながら独学で作家になったこと!驚きました。

舞台は(原作の)アメリカ西海岸オークランドからイタリア、ナポリへ移されていますが、主演のルカの佇まい、そして彼の深層風景でしょうか?挟み込まれる、どこか懐かしい古びた映像の数々が舞台であるナポリにぴったり~。
そして教育もまともに受けていない身でありながら、文学にのめり込み、漁るように本を読み(教育を受けていない彼にとっての学びは先人たちの本でした)作家になることを夢見る・・・いや、夢見るだけではなく、真っすぐ突き進むマーティンの姿、ルカ・マリネッリ渾身の演技に魅入ってしまいます。
整った顔立ち・・・力強さとどこか少し、危険な匂いもするハンサムっぷり。何物も恐れない強さ・・故でしょうか、破滅的な雰囲気も感じてしまいます。

マーティンエデン2

汽車の中で出会った未亡人マリアの好意で部屋を貸してもらい、執筆にいそしむ日々・・・、エレナとの愛の日々よりも私にはここのシーンが一番心に残りました。窓から見える風景、紐につるした執筆の切れ端、素朴なマリアの子どもたち。
「美しいものを見たわ。星とか、子どもたち、一皿のマカロニ」マリアの言葉に笑むマーティン、
生活は苦しくても体は疲れ切っていても、愛する人がいて、目指す夢がある・・・、最も幸せな日々だったのではないでしょうか。

それだけに後半の展開は悲しかった・・・・(>_<)
あれほど情熱的だった前半とは全く別人のようなマーティンの表情、姿、ルカ・マリネッリの演技が素晴らしいので・・・よけい辛い~~。
ちょっと展開が急すぎて(突然の決闘のシーンに??)
別人のような彼に気持ちついていけないところもありましたが、壊れてしまったエレナとの仲、ブリッセンデンの死、彼の内面で理想とするものと現実社会はあまりにも違っていた・・・ということなのでしょうか。
作家としてもてはやされればされるほど、気持ちが冷え切ってしまうかのような・・・、傾いて沈んでいく船、この深層風景はまさに彼自身をあらわしているかのようでした。

う~ん、これはぜひ原作を読んでみたい!!
『野生の呼び声』も再読してみたくなりました。困難に耐え逞しく生き抜いていく『野生の呼び声』の大型犬バックの姿がロンドン自身、本作のマーティンに重なります。
そして、ルカ・マリネッリ!!これからも見続けたい~~俳優だーー



ジャック・ロンドン(オフィシャル・サイトより引用)

アメリカの作家。1876年、サンフランシスコ生まれ。工場労働者、アザラシ漁船の乗組員など多くの仕事に就いた後、「野性の呼び声」(光文社他)で一躍流行作家となる。アラスカの自然と生の苛酷さを描いた短編や、海洋小説、ボクシング小説、SF、幻想小説、ルポルタージュなど、多彩な作品を発表、世界的名声を博したが、1916年に急死。邦訳に「白い牙」(光文社他)、「火を熾す」「犬物語」(スイッチ・パブリッシング)他多数。

  1. 映画タイトル(ま行)
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comment

瞳さん、こんばんは。
ルカ・マリネッリが魅力的で、私も本作で
すっかりファンになってしまいました。
「皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ」もいつか是非みたいです。
悪役もはまりそうですね。

私もマリアとの日々、好きです。
2人は恋愛を超えた、もっと人間的なつながりで結ばれていたのでしょうね。
彼の情熱に圧倒されて、ただ純粋に応援したい、支えたいというか...
なんだかわかる気がします。

瞳さんはジャック・ロンドンの作品も読まれたことがあるのですね。
「野生の呼び声」は映画にもなりましたよね。
私も読んでみたくなりました。
  1. 2021/06/16(Wed) 22:38:46 |
  2. URL |
  3. セレンディピティ #.usTzc9U
  4. [ 編集 ]

こんにちは

こんにちは。
ルカ・マリネッリはとても素敵でした。私も「鋼鉄ジーグ」の彼にぞっこんでしたので、本作でも目の保養をさせていただきました~。
「レインボウ」というイタリア映画も観たことあるんですけど、こちらも主役がルカ・マリネッリで、それも結構好きなんですよ。でも配信していないみたいで…配信していたら是非瞳さんにオススメして感想を語り合いたいところでしたが。

モデルとなったジャック・ロンドンの作品も今度読んでみたいところです。
  1. 2021/06/17(Thu) 17:04:30 |
  2. URL |
  3. ここなつ #/qX1gsKM
  4. [ 編集 ]

>セレンディピティさん

こんばんは。
ルカ・マリネッリ、素敵でしたね♡
『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の彼はコモノ感を漂わせて登場するんですけど、ビックリするくらいしつこくて!(^^)!とんでもなくワルイやつで!その怪演ぶりがなんとも見事なんですよ~!!歌も歌ってたので、良かったらいつかご覧になってみてくださいね(*^-^*)

>2人は恋愛を超えた、もっと人間的なつながりで結ばれていたのでしょうね。

そうでしたね♡作家として有名になったマーティンがマリアにお屋敷を買ってあげてましたね。彼女のことを忘れてないのが嬉しかったのですが、すでにもうマーティンは彼女の手を離れてしまって・・・あの日々は戻ってこないんだなあと感じました。

著作は2作品だけ既読なんですけど、すごくいろんなジャンルの作品を書かれているんだなあと今回知って驚きました。「野生の呼び声」ハリソン・フォードで映画化されましたね。映画も観てみたい~。
  1. 2021/06/17(Thu) 20:40:57 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

>ここなつさん

こんばんは。
コメント&TBありがとうございます。

>私も「鋼鉄ジーグ」の彼にぞっこんでしたので、本作でも目の保養をさせていただきました~。
わーい、一緒です~(笑)
ジーグの時はヒール役で、絶対素顔はイケメンだろうなあと想像しつつ楽しみましたが!(^^)!
本作では主役でまさにそのイケメンぶりも堂々としていましたね。

「レインボウ」ここなつさんが映画祭でご覧になった作品ですね♪私も観たい~~!と思っていたのですが・・・・配信なくて残念です(>_<)
もっともっとルネ・マリネッリの作品を観てみたいです。

ジャック・ロンドンの作品、図書館で今度探してこようと思っています。


  1. 2021/06/17(Thu) 20:47:50 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

no subject

ジャック・ロンドンって名前は聞いたことがありますが、シートン動物記みたいな学者だと思い込んでいました。
舞台をイタリアにしてあるんですね。
wikiで見ると、本物のジャック・ロンドンは意外にも日本に縁があったみたいで、何度か来てるようですね。
「ジーク」は主人公が冴えないおじさんで、それはそれで話としてはよかったものの、顔が思い出せない……それに比べて悪役のルカ・マリネッリ、強烈でしたね〜(笑)

>ルカ・マリネッリ!!これからも見続けたい~~俳優だーー

瞳さんも意外と濃い顔好きなのでは?(笑)
早速見てみます。
  1. 2021/06/19(Sat) 12:00:30 |
  2. URL |
  3. tonton #-
  4. [ 編集 ]

>tontonさん

こんばんは。
>シートン動物記みたいな学者だと思い込んでいました。
動物を主人公にした作品が有名ですもんね!私もそういう感じで思っていたら、意外で驚きました!!
そうなんですよーー!日本とも縁があったようでこれもビックリですよね。

>それに比べて悪役のルカ・マリネッリ、強烈でしたね〜(笑)
tontonさんもやっぱり~!?!(^^)!
本作のルカ・マリネッリは「ジーク」の時よりもより濃くてワイルドなんですよ!!おお~!濃いなあと思ってtontonさんを思い浮かべてました(笑)
私も昔より、濃い顔好きになってるのかも(*^-^*)

後半はちょっと急ぎ足で、人生に失望したジャックの姿は悲しいものがあるんですが、tontonさんの感想が楽しみだな~♪
  1. 2021/06/20(Sun) 19:45:33 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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「マーティン・エデン」

アメリカの作家ジャック・ロンドンの自伝的小説を映画化した作品。ジャック・ロンドンは幼少の頃から貧困生活に身を晒していたが、アメリカ社会党の活動家から作家に転身した人物である。本作は舞台をイタリアのナポリに移し、あるイタリアに生まれ住む青年が、貧困層からブルジョワの娘と知り合って恋に落ち、学の大切さに気づくようになり、だがその恋も捨てて社会主義の活動にのめり込んだ末に作家として大成する…といっ...
  1. 2021/06/17(Thu) 16:59:54 |
  2. ここなつ映画レビュー