(映画.com)2017年製作/89分/アイスランド・デンマーク・ポーランド・ドイツ合作
原題:Under the Tree
閑静な住宅地で隣り合う2組の家族。
老夫婦宅の庭にそびえたつ大木がポーチに影を落とし日光浴を妨げる・・とお隣の中年夫婦から文句を言われたことから始まった隣人トラブル。
剪定で解決するはずだったトラブルは、互いのいがみ合いから・・・・不審な出来事をすべて相手の嫌がらせだと思い込むように。
老夫婦のもとには妻に追い出されて息子も転がり込んできて・・・・。
アイスランドのアカデミー賞と言われるエッダ賞で作品賞、監督賞など7部門を独占
ということで興味津々レンタルしてみました。
インガ夫婦の木・・・・確かに大きい!!!大きい上に葉っぱも多い。
日本の暑い夏なら木陰でお茶でも飲んだら気持ちいいだろうなあ~~と想像させられるけれど、アイスランドではどうなんだろう?
日照時間が短いから日光浴は貴重!?などと想像してみたけれど、いやいや、そういう問題ではきっとないのね。
確かにお隣のおうちのポーチはこの木のおかげで陰にはなっていたけれど、それでもポーチ全面が・・というわけではなかった。
インガの言うように日光浴の場所を移せば・・というのも分かる。けれども、あそこまで大きくなった木、少しは剪定してお隣に譲歩する気持ちもあっていい。
要するに互いに、相手のことをちょっと思えば済んだこと・・・だったハズなのに。
自分たちは悪くない、相手が・・・という気持ち、向こうの言い方が気に入らない・・・冷静な気持ちがどんどんと失われ、
(相手がやったのかどうなのかわからないことまでも)お隣の仕業と思いこむ、この負の連鎖が~~~~、
あぁ・・・、あそこまで行ってしまうとは


この負の気持ちって言うのが…決して互いの存在や言動だけにあるのではなくって、
たとえば老夫婦家族は(何年前かはわかりませんが長男が失踪し行方も生死もわからない状態という、そのことが大きな影になっているのは間違いないし、
お隣の中年夫婦も若い奥さんをもらったけれどどうやら、子どもができないことが悩みの種のようであり・・・。
そういう、自分たちの心の中に落ちている影が・・・、お隣とのトラブルに拍車をかけたように感じました。
特に老夫婦、奥さんのインガ・・・一瞬たりとも笑うことのない、なにかもう人生総てを恨んでいるかのようなそんな表情・・・、次男に賭ける言葉がまた酷い・・・。
そんな時、彼女が唯一可愛がっていた猫が帰ってこない・・・、あぁ~~、なにかすっごく悪い予感が~~~!!!!
ですが、まさか、まさか、そこまでのことをするとは思ってもみませんでした。
ゾゾゾゾゾゾ・・・・・・・・・


アカン、あかんーー、酷すぎる!!これはどうしたって犯罪ですよね!!!!鳥肌立ちました・・・!!
そのあとはもう、雪だるま式に膨れ上がった負の連鎖・・・、次男の奥さんにあんなに冷静なアドバイスをしてくれたインガの夫までもが・・・、最後にはああいう行動に出てしまうとは。
でも思えば、彼も常々奥さんの行動にある意味目をつぶって(趣味の)合唱に逃げていたんですよね。
合唱シーンのあの歌や映像、とても印象的だったナ~~。
ようやく、奥さんと許しあい、辛いけれど、いい方向に向かうことができそうだった次男(彼と奥さんのエピソードも冷静を欠いたものだったけれどこっちは、少しわかる気がする)がどうなったのか・・・わからないのも気になりますが、
ラストシーンは
そうじゃないかと思ったよーーーーー!!!!いやはや・・・・、何とも言えない・・・。
「すまない」「悪かった」「ごめんなさい」はもちろんのこと、
相手のことを思いやる言葉や気持ちを、この人たちはどこに置いてきたんだろう。
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