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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「ボーダー 二つの世界」映画と原作 :: 2020/01/10(Fri)

ボーダー

スウェーデンの税関に勤めるティーナは、違法な物を持ち込む人間を嗅ぎ分ける能力を持っていたが、生まれつきの醜い容姿に悩まされ、孤独な人生を送っていた。

ある日、彼女は勤務中に怪しい旅行者ヴォーレと出会うが、特に証拠が出ず入国審査をパスする。ヴォーレを見て本能的に何かを感じたティーナは、後日、彼を自宅に招き、離れを宿泊先として提供する。次第にヴォーレに惹かれていくティーナ。しかし、彼にはティーナの出生にも関わる大きな秘密があった――。

                    <公式サイト スト―リーより>




※原作についても語っていますのでネタバレ部分あるかもしれません、ご注意くださいね。

1月3日から香川でも劇場公開が始まりましたソレイユさん、感謝
新春一番はこれ!!と決めていました

あの「ぼくのエリ 200歳の少女」のヨン・アイビデ・リンドクビストの原作ということで、こちらも絶対特別な作品だろうなあと想像していましたが・・・いろんな意味で想像の上を行く特別な作品でした。

深い森の中のシーンが美しい、北欧という舞台が生きたダークファンタジー。
ティーナの(一見ビックリするような)容姿や明らかになったアイデンティティ、性別というボーダーですら飛び越えてしまうという、
見たこともないような、想像していなかった驚きに遭遇した映画でしたが、
孤独を感じて生きていた中での出会いから、自分の本当の姿を見出してゆく・・・という物語は普遍的ともいえるものだったし、
幼児ポルノに関する事件を追うという、サスペンス部分もあって・・・、
そういう現実的(税関でのシーンも)、普遍的な部分と
おとぎ話のようなシーンがなんとも独特な世界観の中で溶け合っていた作品でした。

「ボーダー二つの世界」
この二つの世界というのは、人間と異種・・・ということ以上にいろんな線引きをされた、たとえば善悪、人種、性別、美しさとか醜さとか・・・そういうものも含まれているように感じたし、
でも、そもそも何をどう感じるか、考えるかというボーダー(線引き)って一人ひとり違うんじゃないのかなあと思ったり。

「全ての人間は害悪だ」というヴォーレにティーナが答えた「すべてじゃない」。
それは「虫を食べるなんて気持ち悪い。みんなが言ってるから」と言った時の、みんなの線引きではない、
自分の中で知っている、ティーナ自身のボーダー。
子どもの時からいじめられ、同居する男はあんな感じ孤独な日々の中癒しは自然と動物、やっと出会えた自分と同じ匂い?のヴォーレ。
笑顔で森を駆け、本能のまま愛し合う二人・・・それでも、それぞれの線引きは違う。
あまり普段思ってもみなかった(曖昧が好き )いろいろな境界(ボーダー)について頭の中でいろんな思いがぐるぐる回って感想も混乱気味~~。
まさか、こんな感想を抱くとは思ってもなかったナーー。

冷蔵庫の中に入ってるものは?ドキドキ・・・、取り換えられた子どもは・・・!?、そしてボカシ無かった!!驚きのシーンと、それはもう、いろいろ衝撃だったけれど、
衝撃だけで終わることなく、観終わったあとからもいろいろなことを考えさせられる作品ですねぇ・・・。

それぞれが抱くさまざまなボーダーが混沌と混ざり合う世界(なんとしんどいことか・・・)では、信じ、愛するものが欲しいよネ。
ヴォーレから送られてきたもの・・・、思わず微笑んだラストシーンの、ティーナの笑顔が優しい。



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「ボーダー二つの世界」をはじめ、11の短編集。
原作では、映画よりももっと強く、ティーナの孤独、今の自分の世界にいることの辛さを(学生時代のエピソードも)感じたのが印象的でした。
映画の中で描かれた幼児ポルノ事件は原作にはありませんが(映画ならではのサスペンス性でしょうか)
悪をかぐことが出来る能力で、実は世界中の警察から呼ばれていました!!

意外だったのは、ヴォーレは映画ほど人間に憎悪を抱いているようではなく、復讐とかという思いを語るシーンはありませんでした。
ラストシーンも映画よりはっきりハッピーエンド♡

小説ならではの、ティーナの内面、世界の中で感じる“異世界感”が静かに・・・・感じられました。

そして、この短編集にはなんと!「ぼくのエリ」の続編にあたるようなお話も収められています。
直接、エリもオスカルも登場しないスピンオフ?的な物語ですが、彼らのその後が分かるような部分もあり、こちらも読めて良かったわ~。
  1. 映画タイトル(は行)
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  3. | comment:9
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comment

no subject

瞳さんの感想、とても感動しました。
私がうまく言えなかった部分も、すごくうなづけるように書いてくれてます。

 >そういう現実的、普遍的な部分とおとぎ話のようなシーンがなんとも独特な世界観の中で溶け合っていた作品でした。

そうそう!衝撃的なシーンもあるものの、どこかおとぎ話要素もあって、絵的にも独特な美しさなんですよね。北欧ならではの深い森や動物がとても生きてましたね。

原作、ラストシーン、ハッピーエンドなんですか?映画ても救いのあるラストでしたが、それなら読めそう♪(気が小さくてホラーとか映画ならまだしも小説は絶対無理)


  1. 2020/01/12(Sun) 17:55:15 |
  2. URL |
  3. tonton #-
  4. [ 編集 ]

>tontonさん

こんばんは。感想読みにきてくれてありがとうございます。

>私がうまく言えなかった部分も、すごくうなづけるように書いてくれてます。

うわ~~、嬉しい!!
感想書きながら、いろいろ思うことが渦巻いてどう書いたらいいのか、自分の感じたことが上手く言葉にできないなあ・・・と思ってたんですよ~~。

あの森、動物たちとのシーン、良かったですよね~~!!
これはやはり北欧ならでは・・・・でした♪

原作は100ページくらいの長さでしたよ。
映画よりもティーナの孤独が深くて(同僚との間にも距離を感じてたり)そうそう、ヴォーレが映画ほど激しく(怒りとか)ないの!!
ラストシーンも映画よりはっきりハッピーエンドです、ご安心を~(*^-^*)
  1. 2020/01/12(Sun) 21:05:32 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

深い

おじゃまします。
色々な意味でインパクトある作品でしたね。そして北欧の空間がぴったりのダークファンタジーでしたね。
ボーダーって難しい、差別的なものはよくないし、おっしゃるようにひとりひとり違うところもあると思いました。色々考えさせられる深い映画でもありましたね。
自然と動物はティーナの子供の頃からの癒しになっていたのかな、動物に接するおだやな表情が印象的でした。
冷蔵庫、ドキドキしましたねー(汗)中身、もしかしてってちょっと思ったけど、あんな状態とは思わなかった^^;
原作本も読まれたんですね!ティーナの学生時代のエピソードも気になります。そして僕エリの続編、あったんですね@@
私も新春一番と決めていた「パラサイト〜」を無事見ることができました(笑)映画も面白かったし、なによりガンホの演技を見れて大満足でした♪
  1. 2020/01/21(Tue) 17:53:00 |
  2. URL |
  3. ポルカ #-
  4. [ 編集 ]

>ポルカさん

こんにちは。
ポルカさんはじめ、みなさんご覧になってて私も早く観たいーー!!って思ってました(*^-^*)

北欧ワールドがぴったりでしたね。さすがにこれはハリウッドリメイクは無理ですよね。

>ボーダーって難しい、差別的なものはよくないし、おっしゃるようにひとりひとり違うところもあると思いました。色々考えさせられる深い映画でもありましたね。

ほんとに!!観る前はこんなに考えさせられる作品とは思ってもみませんでした。
キツネやシカとのシーンに癒されましたね。ティーナの表情も良かった♡

原作本は短編集なので読みやすかったです。
映画ではティーナの学生時代って想像できなかったので、原作のエピソードに驚きました。
僕エリ、そうなんですよ。スピンオフ的なお話ですが、それからの二人の様子が垣間見えて良かったわ。

「パラサイト~」ご覧になったんですね!!
私も観に行きたいーー♪

  1. 2020/01/22(Wed) 14:13:48 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

瞳さん、これが新春一発目の作品だったのねーー!

で、小説の感想も、すっごく興味深く読ませて頂きました。
こりゃあ、読むしかない、って思って、図書館で探したら、あった!さっそく、ちかじか読んでみるね。
図書館もopenしてくれたし。
  1. 2020/06/03(Wed) 12:46:43 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

こんにちは。

そうなのーー!!新春初映画だったわ。でも、これを超える強烈な映画には今年まだ出会ってないかも。

小説、良かった!!あったのね♪
ぜひぜひ読んでみて~。ラストは映画より優しいのよ。
図書館開きましたね♪私も早速行っていろいろ借りてきました。
久々で楽しかったです。
  1. 2020/06/03(Wed) 15:37:27 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
  1. 2020/06/07(Sun) 19:44:39 |
  2. |
  3. #
  4. [ 編集 ]

瞳さん、ありがとうーー!!!
すっごくスッキリしたわ。
やっぱり瞳さん、すごい!
突っ込んで質問してほんとに良かった。

おじさんとオスカーの差、
それとあの小説の2人も・・・っていうのは、瞳さんのお話聞くまで、解らなかった(解らない私がオバカ過ぎなのかもしれんが)

さすがです!
本当にありがとうね(*^0^*)
  1. 2020/06/23(Tue) 15:27:28 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

小説のカップルの方は・・・私の希望的想像が入ってるけど(笑)
オスカーは間違いなくそうだと思います。

とんでもないーー!!
私も原作のお話できて嬉しかったわ♡

Latifaさんがスッキリ出来て良かった~(*^-^*)


  1. 2020/06/23(Tue) 15:56:21 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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