2008
11.05

「ブーリン家の姉妹」

ブーリン家の姉妹

16世紀イングランド。
時の国王はヘンリー8世。
キャサリン王妃との間に男子の世継ぎが生まれないことを悩む王の姿を目にした側近ノーフォーク公爵は、血縁の娘アン・ブーリンを王に引き合わせようと画策する。
鹿狩りのためにブーリンの屋敷に滞在することになった王にアンは魅力的な笑顔を振りまく。
だが、王が心を奪われたのはブーリン家のもうひとりの娘・・、妹のメアリー・ブーリンだった。


学生時代に歴史小説に夢中になっていた頃にヘンリー8世と6人の王妃の物語もいろいろと読んだのですが、中でも有名なアン・ブーリン、彼女に姉妹がいたなんて!まったく知りませんでした。
なので興味津々、映画を待ちきれずに原作を先に読みましたが、上下巻合わせて1000ページにも及ぶ長さ!!でもそれをまったく感じさせない面白さ。

歴史という歯車の中で人はどんな道を選ぶのか・・。
じっくりと書き込まれた人物たちの心理とその背景にあるもの・・・歴史小説の面白さを久々に堪能したのでした。
でもこれを先に読んでると・・ちょっと映画は分が悪くなっちゃうかな。

なにせ約15年分の流れを2時間で・・っていうと、どうしたってかなり駆け足になってしまいますよね。
ヘンリー8世の心変わりの速さも!!(苦笑)早い!早い~(汗)
歴史的な背景や出来事とか、
原作で特に心に響いた、姉妹の、互いに嫉妬し、ライバル心を燃やし、けれどもだからこそ分かり合うところがあり、悲しみも分かち合う部分がある・・。
そのなんともあらわしようのない・・関係も描ききれないし。


でも、映画はまた別の見せ場がたっぷり。
暗躍?する親族たちの姿に王の寵愛を得なければ生き残っていけない貴族たちの姿と、そのために駒のように踊らされる女性たちの人生。
ブーリン家の二人の姉妹にナタリー・ポートマンとスカーレット・ヨハンソンを迎えていますから、やはり!!見せ場は王をめぐる彼女たちの確執ですよね。
アンを演じるナタリーのプライドの高さ、王妃への執念、けれども・・・追われる立場に立ったときの・・あの恐れおびえる姿。
スカーレットのメアリーは、受身のように見えながらも、愛を与える強さと包み込むやさしさを漂わせて。
鮮やかな緑や青の衣装にはっと!目を引くアンと暖色系のメアリー。
衣装でも個性が際立っていましたね。

ブーリン家の姉妹3

舞台や衣装、髪型や装飾・・、映画ならではの満足感です。
エリック・バナは上背もありますから、王の堂々とした衣装が映えます!
個人的には指にはめていた見事な指輪の数々に・・思わず目が(笑)


姉妹の母親。原作では厳しく、叔父さんと同じ立場だった彼女を映画では、娘を戦略の道具に伝う夫たちを批判し、子どもたちに愛情を注ぐ「母親」として描いていました。
彼女の言葉が物語の良心的役割をしているかのようで印象的でした。


後半からラストにかけて、悲劇へといたるシーンの緊迫感のあとに・・・。
野原をかける子どもたちの姿が映し出されます。

冒頭のブーリン家の兄弟を思い出させる・・そのシーンの最後に浮かぶ少女の姿。
後にイギリス黄金時代を築き上げたのは、ヘンリー8世があれほどまでに欲した男子の後継者ではなくアンの残したエリザベス1世。
その事実を思うと運命というものの皮肉さをつくづく感じてしまいますね。

でも、アンもメアリーも自らの道を自分の意思で選んだ・・そんなブーリン家の姉妹の強さは血となってエリザベスに受け継がれていったのではないかな・・そんなことも感じて、映画「エリザベス」をもう一度見てみたくなったのでした。


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本館TeaPleaseの映画の原作コーナーにも挙げましたが上下巻お薦めです!!
キャサリン王妃の威厳に胸打たれ、ブーリン家の3兄妹についてもじっくりと。
姉妹ももちろんですが、男性たちも負けていませんよ~(笑)
ジョージ・ブーリン、ウィリアム・スタフォード!魅力的です。

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コメント
未だに原作読めずなのですが、それでも展開の速さは感じました。あれだけのテンポでいかないと収まりきらなかったのでしょうね。
瞳さんもおっしゃる、アンのあの怯える姿。こちらの心まで震えるくらいに迫ってきました。
そして最後、エリザベスを抱いて宮廷を去るメアリーの後姿がとても美しく印象的でした。
登場する女性は皆、良くも悪くも強かったですね。
強くなければ自分を見失ってしまう時代だったのでしょうか。
原作ぜひ読みますね。魅力的な男性陣が楽しみですが、ヘンリー8世は絶対バナ兄のまんまで読もうと思います(笑)
そらいろdot 2008.11.05 14:26 | 編集
>そらいろさん
そらいろさんも見てこられたんですね!!
アンがヘンリー8世をじらし続けたという(苦笑)6年間もあっという間でしたもんね。
王妃を追い払ったアンが今度は自分の身に降りかかる・・追われる立場・辛かったですよね。
>最後、エリザベスを抱いて宮廷を去るメアリーの後姿がとても美しく印象的でした。
毅然としたシーンでしたね、印象的でした。

原作、長いですけど面白かったですよ~。
ジョージ・ブーリンは原作では姉妹の兄の設定なんですけど、いつも三人でいるシーンが多くて。
そして、彼にもいろんな悩みや思いがあって・・。
スタフォードは、とにかく素敵~(笑)
読みながら、もちろん私たちの彼にはいろんな役で登場してもらいつつ・・想像を膨らませてみましたよ(笑)

バナ兄、素敵でしたね。原作の王様より・・素敵でした(爆)




dot 2008.11.06 21:17 | 編集
この映画気になってます^^ 当時の様子もすごく
興味あるし…、原作も読みたいと思います。
ポチdot 2008.11.06 23:23 | 編集
>ポチさん
女性たちの服装や、髪型も!!雰囲気ありますよ。
ナタリーもスカーレットも素敵です。
王様の白タイツも!(笑)
この時代のイギリス、そしてヘンリー8世は青ひげのモデルになった・・と学生時代に聞いて俄然いろいろ本を読みましたっけ(笑)
原作、長いですけどメアリーや登場人物たちの心理描写がいいですよ~。
dot 2008.11.08 18:14 | 編集
瞳さん、こんばんは♪
原作上下読破されたんですね、さすがだなぁ・・(感心)
それにしても1000ページって、気が遠くなりそうですが 原作にはそれを感じさせない面白さがあるんですね。
映画は、ナタリー・ポートマンの演技が際立っていた気がします、熱演でしたよね。
「宮廷ゴヤ」の薄幸の美女とは対極のアン・ブーリン役ですが ナタリーはこんなに上手い女優さんに成長したんだわ・・としみじみ見入ってしまいました。
ヨハンソンも柔らかな雰囲気が似合っていて、こんな母性を感じさせる女優さんに、こちらも成長したんだわ・・って、まるで私、母親の気分ですね(^^;)
瞳さんもおっしゃている、冒頭とラストの子供たちのシーンが本当に印象的でした。
彼らの幼い笑顔の向こうで 大人の愛憎劇の果てに歴史が大きく変っていった事実があったんですね~~、興味深いです。
バナの指輪、見ましたよ、いっぱい付けていましたね。(笑)
あれって、いざという時には武器になるのかな??
そんな記事をどこかで読んだ気がします。
で、ご主人の感想は如何でしたか?
私が鑑賞した日にも 中年のご夫婦連れが結構多くて、瞳さんご夫妻のことを思い出していました~^^ゞ
カポdot 2008.11.10 22:20 | 編集
>カポさん
カポさんもご覧になったんですね、感想読みに伺いますね~。
原作は長いですけど、引き込まれました。
それぞれの人物がとっても興味深くって。キャサリン王妃の威厳もすばらしいんですよ。
彼女とメアリーとの関係も感慨深いものがありましたし、王妃との離婚に踏み切れない国王に迫るアンの迫力とかも!
秋の映画鑑賞は、ナタリー作品が2本になりましたよね。「ゴヤ~」も良かったし、こちらも。ナタリー、素晴らしいですよね。
ふふ、母親気分~(笑)わかります~。
そうそう、そういえば、二人そろって「NY Iloveyou」では監督もやるんですよね。こちらも楽しみですよね♪

子どもたちのシーン、印象的でしたね。
あんなに幼い笑顔が・・・、姉妹のお母さんの「私の子どもたちが・・・」と言うシーンに(同じ母親として)共感の思いが・・(涙)
指輪・・・・おお~!!いざというときは・・なるほど~!!確かに武器になりそうでしたよね(笑)

ああっ、カポさん、それが主人は・・・逃げちゃいましたよ~(爆)
娘と私が鑑賞している間、近くのデパートに入ってるロフトで時間をつぶしてたんですよ~(笑)
dot 2008.11.12 17:27 | 編集
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