
自殺した母親との生活をつづった私小説がベストセラーとなった作家デルフィーヌ。
だが、その後はスランプに陥り、ファンとのサイン会を途中で打ち切る疲れっぷり。
そんな彼女の前に、熱狂的なファンだと自称する女性エルが現れる。
なぜかエルの前では飾らず本音で話し合えるデルフィーヌは、すぐに彼女に信頼を寄せてゆくのだが・・・、時折見せる不可解な言動に翻弄され始めてゆく・・・・。
※↓ミステリーですが、ネタバレしていますのでご注意ください!!
ロマン・ポランスキー監督とエマニュエル・セニエ、そしてエヴァ・グリーン

・・・という期待感上がる布陣な上に、作家をめぐるミステリー。好きデス

スランプに陥った上に(身内から脅迫状めいたものを送られ)心身疲れた作家の前に現れた、一人の謎めいた美女。

エヴァ・グリーン。今や、妖しい女性を演じさせたら鉄板!

といってもいいくらいかも・・・

ハッとするほどまばゆい美しさを見せるかと思えば・・・、

かっと見開いたこの眼!!!こ・・・・こわっ

何かある!?きっと何か秘めてる!?と誰もが思うでしょう。だってエヴァだもの・・・・と。
登場したとたんに、デルフィーヌの心を掴み、彼女の生活のすべてを手中にしても仕方ないかも・・・と思わせておいて、
けれど突然見せるヒステリックな言動にやっぱり何かある!!オカシイ・・・・と思ってしまう。
憂いを帯びたセニエと妖しいエヴァ・グリーン、2大女優の魅力と、ポランスキー監督の雰囲気作りの上手さ

に引き込まれつつ観ました。
雨の夜、別荘へと向かうシーンの映像の色合いや醸し出すムードにはゾクゾクしましたよ~。
ただ、2人の力関係があまりにも一定?というか、エルに翻弄されるデルフィーヌ・・という図式のままだったのは、観ていてちょっと飽きてしまう。
時にはちょっとひっくり返すところとかも観たかったような気がしました。
そうそう、エルがデルフィーヌの夫や子どもたちとの連絡も絶たせ、足を折った彼女と別荘へ・・・という展開には、まさかの『ミザリー』!??・・・・思いますよね~

ですが・・・、鉄板の妖しいエヴァの魅力も、『ミザリー』のような別荘シーンもミス・リード、
いや、観客への挑戦ということだったのですネ。
エルというその名前、
2人が外で会っているときの、店員たちの視線、
同じブーツ、
そしてラストのデルフィーヌの様子・・・。
ラストシーンは冒頭と同じく、デルフィーヌがファンたちに行うサイン会の場面でした。
疲れていた冒頭と違い、スッキリとした表情でサインを行う彼女、その指のネイルは真っ赤・・・・・

もう、エルは現れない…なぜなら・・・・。
作家の内面、産みの苦しみとは、かくも凄まじいものなのか・・・・、
別の人格があらわれるくらい・・・・。
・・・・ということだったのかな。
いやぁ、でもあまりにも凄まじすぎる~~、死んじゃうところだもの(>_<)
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