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Slow Dream

縁あって・・・本や映画と巡りあう。




「未来よ、こんにちは」 :: 2018/05/16(Wed)

未来よ、こんにちは

パリの高校で哲学を教えているナタリー(イザベル・ユペール)は、同じ哲学教師の夫ハインツ(アンドレ・マルコン)と独立している二人の子供がいる。
パリ市内に一人で暮らす母(エディット・スコブ)の介護に追われながらも充実した日々。
ナタリーには、才能を誇れる教え子がいた。彼、ファビアン(ロマン・コリンカ)は、ナタリーの授業で哲学の面白さを知り、教師になった若者。久しぶりに会ったファビアンは、既に教師を辞め、執筆をしながらアナーキスト仲間と活動を共にしていた。
そんな折、同士ともいうべき存在の夫ハインツが、結婚25年目にして「好きな人ができた」と唐突に告白し家を出てしまう。
そして母は認知症の症状が悪化し、施設に入ることに。

                <公式サイト ストーリーより>



第66回ベルリン国際映画祭、銀熊賞受賞作品。



『ELLE』の強烈なヒロインがいまだ目に焼きついてるイザベル・ユペール♪
彼女の作品がもっともっと観たい~!!とレンタルしてきました。

実年齢64歳の彼女が本作で演じるのは、50代の哲学教師。
仕事を愛し、同志のような夫と、娘息子たち。
夜中に起こされたり、救急車を週に3度も呼ぶ独り暮らしの母親は心配の種だけど、それでも充実した毎日を送るナタリー。

ところが・・・・死ぬまで一緒だと思っていた夫がまさかの浮気、家を出てしまい、施設に入った母親が急死!!
長年付き合いのあった出版社からは契約を打ち切られる・・・という思ってもみなかった負の連鎖。
思いがけないおひとり様にも「ようやく自由よ~」と言ってはみたものの・・・。

人生半分過ぎたところでの、思いがけない“おひとり様”
それでも愛する仕事もあり、教え子もいて、なによりユペールだもの、美しいのダ。
25年も連れ添った夫は後悔して戻ってくるのでは?
いやいや、きっと新しいお相手が・・?(お気に入りの教え子、イケメンの彼が気になる~~)
などといろいろ想像してみたのだけれど・・・。
意外や、意外
映画らしい?新たな展開も、これまでとは違った人生が開けることもない。
そればかりか、イケメン教え子には自分の生き方まで否定されちゃうし・・・。

それでも「人生が終わるわけじゃない、進むだけ」と、前を向くナタリーの姿がなんと心に沁みることだろう~。
自分らしく、彼女らしく、毎日を送るだけ・・・。
哲学者の言葉がいろいろ登場する作品だったけれど、
彼女が教え子に読んだルソーの「欲望があれば幸福でなくても済ませられる。手に入れたものより期待するもののほうが楽しく、幸福になる前だけが幸福なのだ」という言葉がとても印象的だったな~。

ユペール、哲学教師という役がとても似合ってる~
戸外で生徒たちと論じ合ったり(こういうフランスの授業風景っていいな)、こんな哲学教師なら私も学びたい(笑)

そして、今回ちょっとがに股気味にも見えちゃうよう(決して優雅ではない)な、忙しくせかせかと歩く姿がとても印象的でした。
これは演技かしら?

未来よ4
未来よ3

仕事の時には、カジュアルなパンツ姿がスレンダーな姿によく似合い、

未来よ2

休暇では鮮やかな花柄のワンピースでリラックスする。

60歳過ぎててこの美しさ~、このスタイル!!
けれど、ノースリーブの服を着ればやっぱり手のシミも見えるし、ワンピースの背中にはたるみもあったりする。
そういうのも隠さずに、とても自然でシンプルに美しく年を重ねた姿が素敵でした♪

夫と別れることもショックだけれど、それ以上に悲しいのが25年も手入れを重ねた(休暇を過ごす)夫の実家の庭のこの先のこと。
そして、子どもたちとそこで過ごしたバケーションの日々、その思い出に涙する・・・。
こういう心情が描けるのって、女性監督さんですよね!きっと。
ミア・ハンセン=ラヴ監督、えっ!1981年生まれ・・・お若い!!熟年の方かと思いましたよ~。
荷物を取りに来た夫が(気遣いから?)テーブルに美しい花を飾ってあった。
最後のプレゼント!?こんなの要らないーー!!思いっきりゴミ箱に捨てるシーンも・・・そりゃそうだよね、わかる、ワカル

(携帯の電波が届くところを探して)海辺で干潟の泥に足をとられながら素足で歩くシーンとか、
ほんの何気ない、さまざまなシーンが心に残る作品でした。

ラストシーンは、孫を抱きあやしながら歌うナタリーの姿・・・、
生まれてきた新しい命を愛おしむ。
未来はこれからもある・・・。

  1. 映画タイトル(ま行)
  2. | trackback:1
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瞳さん、こんにちは

>彼女が教え子に読んだルソーの「欲望があれば幸福でなくても済ませられる。手に入れたものより期待するもののほうが楽しく、幸福になる前だけが幸福なのだ」という言葉がとても印象的だったな~。

うん、うん。
哲学の先生って役、カッコ良かったね。
あのイケメン教え子君と、もしかして・・・なんて思っちゃったよ^^想像ハッテンしすぎー。

そうそう、がにまた、私も気になってた。
わざとなのか・・それとも素なのか・・・
  1. 2019/04/28(Sun) 19:36:29 |
  2. URL |
  3. latifa #SFo5/nok
  4. [ 編集 ]

>latifaさん

こんにちは~。
この作品、とっても好き♪
哲学の先生役、とっても似合ってましたね。こんな先生に教わりたい!!

あと、自分がずっと手入れしてた庭への思いとか、夫や子どもたちと過ごしたバケーションの思い出・・・、そういう心の機微がすごくよく分かる!!

ガニマタ・・・・っぽかったよね、せかせか歩いてた!!
「静かなふたり」にユペールの娘さんが出てたんだけど、歩き方、似てた~~(笑)
・・・と言うことは素かしら・・・。
  1. 2019/04/29(Mon) 14:34:32 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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