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Slow Dream

映画や本とのめぐり合いをひとつひとつを大切にしたい。




「追想」 :: 2010/03/25(Thu)


1928年、ロシア革命から10年の月日が流れたパリの街を彷徨い歩く一人の女性。
記憶を亡くし、自分が誰なのか思い出せない彼女を野心家のロシアの将軍ボーニンたちは、処刑を逃れ生き延びているという噂の皇女アナスタシアに仕立てあげようと計画する。

皇女としての特訓を受け、しだいに美しい振る舞いや堂々とした態度を身につけ始めた彼女だが、正真正銘本物の皇女として周囲を納得させるまでにはいかない。

そこで、ボーニンは最後の望みを賭け、彼女を祖母である皇太后と対面させようとするのだが・・。



記憶を無くした謎の女性をイングリット・バーグマン、彼女をアナスタシアとして担ぎ出そうとする将軍をユル・ブリンナーが演じます。

イングリット・バーグマンはもちろん美しいのだけれど、ユル・ブリンナーってこんなにハンサムだったんですねぇ~!!
若い!若いわ・・もう・・ピカピカしてる~
野心家で強烈で、強引な将軍をアナスタシアが「ウォッカみたいな人」と言うシーンがあるのですが、そう!強い眼差しに酔ってしまいそうな・・そんな魅力を発散させていたのでした。

皇女アナスタシアについては、それはもういろんな説や話が伝わっていますよね。
果たして生き延びていたのか・・それとも。
真偽はもちろん全く分かりませんが・・・、もしかしたら、こんなことがあったのかもしれない・・とそんな風に思わせてしまう、その不思議な魅力、謎めいた姿に魅入ってしまいました。


無くした記憶に苦しみ、自分がだれか分からないそんな中途半端な状態にもがきながら・・皇女としての特訓を時には投げ出してしまうのに。
ふとした時に教えてもいないような(皇室のエピソードを)答えたり、ハッとするような態度を見せて
もしや・・?もしや?そうなのでは・・?という思いを見ている私たちにも抱かせてしまう・・。


初めて登場した時は、え・・?これがあのバーグマン・・?って思うような姿だった彼女が、しだいに艶めいて輝いてくる。
ボーニン将軍を逆に酔わせてしまうほど。



クライマックスは何と言っても、皇太后と対面するシーンでしょう。
彼女が孫娘だとは全く認めようとはしない皇太后に、切々と語りかけるアナスタシア。

家族も故郷も失い、誰も信じられなくなってしまった一人の老女と、過去を無くし自分が誰なのかも確信することが出来ないでいた女性。
二人が互いに、どれほどの辛い思いをし、深い孤独を味わったかと思うと・・そのあとの抱擁のシーンに熱い思いが胸に押し寄せてくるのでした。





だからこそ、最後に皇太后がアナスタシアに未来を見つめて生きるように諭し、送りだすシーンには皇太后の心の内を思うとまたこみ上げてくるものがありますよね。

一瞬見せた寂しげな表情を隠し、「芝居は終わった」と宣言する皇太后。



最後まで彼女がアナスタシアであったのか、それとも(入院中に名乗っていた)アンナであったのか、それは分かりませんが
演じる必要はもう無いのだ・・と。
一人の女性として選んだ道を歩いてゆく・・、孫娘として愛した彼女への「送る言葉」だったのではないでしょうか。

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comment

ホント

バーグマンっていい女優ですよね。
オムニバス以外では、私も最近『オリエント急行殺人事件』『サボテンの花』を観直したところです。この頃の彼女は美しいと云うより風格が出て来ています。一流の俳優は常に輝いているのでしょうね。
ユル・ブリンナーで最近観たのは『巨大なる戦場』『モリッツ』ですね。カーク・ダグラスも出てましたが、ブリンナーのほうが華がありました。
  1. 2010/03/27(Sat) 20:33:20 |
  2. URL |
  3. NARCY #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

No title

>NARCYさん
『オリエント急行殺人事件』DVDを持っているので、私も時々見返します~♪
豪華なキャスト陣の中でも、バーグマン風格ある演技でしたね。

ユル・ブリンナーは、私「王様と私」くらいしか記憶が無いので、この「追想」は新鮮な印象でした。
『巨大なる戦場』『モリッツ』は未見です。カーク・ダグラスも出てるんですね。


そうそう、昨日『フォールームス』観ましたよ。
このお話は、そちらに伺ってお話しますね~♪
  1. 2010/03/28(Sun) 22:13:44 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

では

『オリエント急行殺人事件』のお話を。
私はこの音楽もかなり好きで、サントラ盤も持ってます。聞いた話によると、バーナード・ハーマンは『オリエント~』の音楽のリチャード・ロドニー・ベネットに「サスペンス映画なのに、なんちゅう音楽を作るんじゃい!」と云ったらしいですが、わたしはあれでいいと思います。オールスター・キャストに相応しい優雅なワルツですからね。
ショーン・コネリーやジャクリーン・ビセットも良かったなぁ。

いつもそうだけど『フォー・ルームス』もサイトにUPする前にもう一度観直したいので、いずれの機会に。
  1. 2010/03/29(Mon) 01:45:27 |
  2. URL |
  3. NARCY #JalddpaA
  4. [ 編集 ]

ワルツでしたね♪

>NARCYさん
サントラいいですね~♪
DVDの特典に音楽についての話があるのですが、そうそう、そういうお話が載ってましたよ。
「死の列車なのにあの音楽は何だ~!!」って言われたって。
でも、ゴージャスな列車にふさわしい音楽にしたかったって語ってました。
優雅で素晴らしい音楽、まさにオリエント急行にふさわしいワルツでしたね。

ジャクリーン・ビゼット綺麗でしたねi-189マイケル・ヨークとの2ショットが美男美女でなんて絵になるんだろうってため息が出ました。
  1. 2010/03/29(Mon) 18:05:44 |
  2. URL |
  3. 瞳 #-
  4. [ 編集 ]

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