
1983年の夏、
家族とともに北イタリアの避暑地にやって来た17歳のエリオは、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。
率直すぎる彼の態度にそっけなさを感じたエリオだったが、自転車で街を案内したり、泳いだり、本を読んだり・・・とともに過ごすうち、彼の姿から目が離せなくなっていることに気づく。
やがて二人はお互いの思いを知り結ばれるのだが・・・・夏の終わりにはオリバーとの別れが待っていた。
↓※ ラストシーンについてなど・・・ネタバレあります、未見の方はご注意くださいね。
香川では遅れての公開でしたが、作品と季節はドンピシャ

あぁ~~~
たっぷりの夏!!
現実は(年々)危険なほどの暑さに・・・・外に出るのが恐くなるくらいの酷暑ですが、
スクリーンの中の北イタリアの夏はなんと美しく、眩しく、瑞々しいことか~~。
木陰のテラスでの朝食、プールで泳いだ後のまどろみ、もぎたてのアプリコットジュース、釣ってきた魚でディナーを食べ、夜には親しい客を迎え、ピアノを弾く・・・・。
羨ましすぎる~~~(>_<)

そしてこの美少年・・・

いやもう、絵にならないはずがなく・・・。



アーミー・ハマーは24歳には見えないし

背が高すぎるせいか?短パンが似合ってないけれど・・・・整った顔立ちにハッとさせられる~~。
とにかく、どんなシーンも絵になる二人。
エリオのオリバーへの気持ちは言葉ではなく、彼を見、姿を追う・・・その視線、表情、時には持て余すかのような体の動きであらわされ、いつのまにか観ているこちらもオリバーの姿を追ってしまう。
けれども・・・オリバーはアップの表情が少ないので(エリオが告白するまでの展開では)どういう気持ちなのか、掴めない。
これって、わざとなのかしら~

テニスのシーンで、背中を撫でて気持ちをあらわしていたって・・・!?
いやいやーーー、あれではエリオでなくてもわからんよ、オリバー(苦笑)
初恋ってこんな感じだったっけな~?と懐かしく思えるような、相手の一挙一動に気持ちが高まったり・・・落ち込んだり。
母の訳するフランス文学の台詞に自分の気持ちを重ねたり
(親子でああいう風に本を読んだりするのって・・・なんてハイソなんだ)
迷うオリバーの気持ちを動かしたのは、絶対あの教授が見せた彫刻のスライドだと思う!!
観る前の予想とは違って、あれ?思ったよりあっさり!?さらっと終わってしまった・・という印象を受けたのだけれど、
文学や音楽、歴史、羨ましいほど文化的な世界に恵まれた二人の、これまた羨ましいほどの美しさのせいかもしれないナ。
だって彼のパンツを被っても、桃であんなことをしちゃっても・・・シャラメ君が綺麗すぎるから生々しく感じられないんダ。
「君の名前で僕を呼んで」
互いに相手を自分の名前で呼ぶ・・・、これって(異性ではできない)同性との恋愛においてだけに出来る愛情表現

だなあ~~とドキドキ。
それにしても父親のあの理解ある(ありすぎる?)言葉と言い、旅行に送り出す母といい・・・どれだけ恵まれていたことだろう。
恵まれてはいても別れはやってきて・・・、ラストシーンではオリバーから近く結婚するという電話を受けるエリオ。
カメラはず~~~~っと、エリオの表情を追う。言葉や台詞や泣きでなく・・・ただその表情を。
背後にはクリスマスの準備をする家族の気配。やがて気遣うかのような母の「エリオ・・・」という声が聞こえる。
この静かで・・・細やかなラストシーンが好きだ。
あの夏はもう終わり、今は冬。そして美少年のアップはなんと胸に迫ることか~


さて、映画を観たので(しまってあった)原作を読みました♪
映画では表情で観ていた気持ちが言葉で赤裸々に綴られると・・・ちょっと驚き!!の原作です。
エリオ、オリバーへの想い、こんなに強かったんだーーー。
「あとで!」オリバーのこの口癖に傷ついたり、かと思うと優しさにウキウキする・・・、そんなエリオの様子が鮮やかに浮かび上がってくる。
結ばれた後での戸惑い、不安・・・にエリオをとても身近に感じました。
映画では描かれなかった二人の数十年後が、小説では書かれています。
正直、読みたくない気がする

と最初は思った“充分大人になったエリオとオリバー”のパート、これがすごく良かった。
何度も何度も読み返してしまった・・・・。
結婚し子どもも二人いるオリバーに対して、エリオの方は独身なのか?仕事は何をしているのか、プライベートなことはほとんど書かれていない。
ただ純粋にあの夏の日のことやオリバーのことを語るエリオに、その想いの強さというか、17歳の夏の日への想いが純化されているように感じられて。
最後の2行にヤラレマシタ・・・

映画はとにかく綺麗だった、美しい思い出だった・・・という印象で、切ないとは思わなかったけれど、
原作を読んで、二人はあの時こういう思いだったのかなあと想いを巡らせたら、改めてまた映画を観てみたい!!と感じています。
そして、
オリバーは僕以上に僕自身なんだ・・・。原作のこの言葉に
「君の名前で僕を呼んで」このタイトルに愛情表現以上のものが隠されているのでは??・・・なんて深読みしてしまう

映画を見る前に読むべきなのか、
映画を見てから原作を読むのか、
どちらがいいのか誰にも分らない -ジェームズ・アイヴォリーー(原作の帯に書かれた言葉)
いつもどっちが先が悩むけど・・・・・・ともあれ、映画も原作も両方楽しみたい♪
- 映画タイトル(か行)
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こんばんは。感想お待ちしてました♪
やっぱりあの環境に目がいっちゃいますよね。
私が見たのは5月だったので、まだ「羨ましい」レベルでしたが、この酷暑の中見たら、もはや「ズルイ!」と怒りそう(笑)
瞳さん、原作も読まれたんですね〜。
20年後が?へ〜、ちょっと読んでみたくなりました。
>初恋ってこんな感じだったっけな~?と懐かしく思えるような、
そうそう、恋少ない私でも思わず自分の初恋などに思いを馳せてしまうような、初々しく美しい映画でしたね。
あのパパもかなり興味深いパパでしたね。
本当の意味で「豊か」な人たちの物語で、ヨーロッパの教養人の懐の深さを見た気がしました。
- 2018/08/15(Wed) 22:59:09 |
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- tonton #-
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>tontonさん
おはようございます~。
ずいぶん遅れての鑑賞してきましたよ(笑)
そうなんですよ!!これだけ危険な暑さの夏!こんな美しくて瑞々しい夏の風景観たら・・・確かに「ズルイ」って思っちゃいます(笑)
子どもの頃は・・・日本?もこんなに暑くなかったよね~。宿題は涼しい午前中に・・・なんて言ってたの、遠い日だな。
今はもう起きた時から暑いですよね。
原作、良かったです!!
映画ほど美しすぎる(?)こともなく、生々しい部分もあり、そして20年後が切なすぎる~~。
映画でも続編の話が出てるそうですね。キャストはどうするんだろう?もちろん別の俳優さんだろうけど・・。
パパの青春が気になりますね。
>本当の意味で「豊か」な人たちの物語で、ヨーロッパの教養人の懐の深さを見た気がしました。
まさにそうでした!!
なにげなくかわす会話や、読みあうフランス文学・・・とてもとてもああいうのって、普通の家庭ではありませんよね。
- 2018/08/16(Thu) 09:02:23 |
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- 瞳 #-
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お邪魔します~~
にぎやかな夏休みをお過ごしだったご様子。
楽しそう~~だわ。いろいろお疲れ様でした。
↑待ちに待った映画でしたね。
優雅な生活ぶりなので、憧れてしまいますよね。
美形2人は目の保養になりますし。私も、パンツも桃も
全然気になりませんでした~~(笑)
<オリバーはアップの表情が少ないので>
そうそう、気持ちは掴めなかったですよね。
だからこそ、私も、主人公同様キュンキュンしながら
鑑賞してしまいました。どう思うの?って。
ラストは私も好き。思い溢れていましたよね~~
そして原作。未読ですが、映画に書かれていないその後が
とっても気になります。
私のブログのリンク先、真紅のthinkingdaysさんの感想にも原作のことが書いてあるのですが、
熱く語っていらっしゃるので、いろいろ共感しやすいと思いますよ。
そして・・・トム、行かれたのですね。
こちらは暑い夏を吹き飛ばすような、パワーがありましたよね
感想もお待ちしております。
- 2018/08/17(Fri) 00:06:52 |
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- みみこ #zQHIT1rU
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>みみこさん
こんにちは。すこーし、朝涼しい気がしますねーー。
でもまた台風来てるし!!
賑やかな夏休み!20日過ぎからは今度はソースケが泊まりにきまーす(笑)ガンバリマス!!
映画は、なんとも優雅で羨ましい~!!夏でしたね。
こんなところで暮らしたいわ。
アプリコットジュースも飲みたい(笑)
ね~、パンツも桃も生々しく思いませんでしたよね。
オリバーの気持ち、掴めなくってちょっとズルイって思うくらいでしたよ。
ラストのハエ、私は全然気が付きませんでした~。もう一度観たら確認しよう~(笑)
原作、良かったですーー!!思ってたよりずっと!!
映画よりも(特にその後は)切なさ溢れてたなぁ。
真紅さんち!!
実は時々覗かせていただいてました!(^^)!
素敵なブログですよね~♪
「君の名前で~」にハマってるとお聞きしてたわ(みみこさんちで)
あとで伺ってゆ~~っくり読ませていただこう♪
教えてくださってありがとう。
トムさま映画、行ってきました。
変わらない安定の面白さでしたね。
帰ってからプライム開いたら過去作品が並んでて・・・今「1」からまた観てるところなの~(笑)
- 2018/08/17(Fri) 10:04:26 |
- URL |
- 瞳 #-
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こんにちは
もちろんソレイユで観ました~。
>互いに相手を自分の名前で呼ぶ・・・、これって(異性ではできない)同性との恋愛においてだけに出来る愛情表現だなあ~~とドキドキ。
あああ、そうだったのね!それには気付かなかったです。
なんで君の名前で僕を呼んでもらうのがそんなにときめくのか
いまいちわかったいなかったですわ。
同性愛限定のときめきですね。
原作読みたくなりました。
わたしはずーっと「モーリス」と被らせながら観てました。
エリオに理解を示しながら黙って見守っていたご両親、素敵でしたね。
- 2018/08/18(Sat) 17:33:52 |
- URL |
- なな #-
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瞳さん、初めまして。私のブログにコメント&TBありがとうございました。
久しぶりにエリオ&オリバーのことを思い出しています。
この映画、原作を読むと切なさが倍増しますよね。。
エリオの胸中が一人称で綴られている原作は、映画の解題になっていると思います。
↑で引用されているセリフ、『嵐が丘』からエリオが連想するんですよね。
日本版の円盤は9月に出ますが、私はUS版を買ってしまいました。
日本版はBDを予約はしているのですが、内容は変わらないそうです。
削除シーンなどは入っていない。何故か?
監督の意向で、「続編に入れるから」らしいですよ!!!!
それなら、絶対に絶対に続編を作ってくれないと!
改めて、今後ともよろしくお願いします♪
- 2018/08/19(Sun) 20:20:14 |
- URL |
- 真紅 #V5.g6cOI
- [ 編集 ]
>ななさん
こんばんは。
ななさんもソレイユ行かれたんですね~♪
上映してくれてありがとうーーー、ソレイユさん。
異性同士だとオカシイけど同性だと気づかれない・・・秘密めいたトキメキ♡でしたね~。
原作、ぜひななさんに読んでいただきたいな♪
「モーリス」、あぁ~~!!私も思い出しながら観てました。
また再見したいです。
黙って見守る・・・これってすごく難しいですよね。
親目線でも観てしまいましたが、自分なら絶対何か言ってしまいそう(ダメ!とは言わないまでも)。
パパの言葉は沁みましたね。
- 2018/08/20(Mon) 20:28:04 |
- URL |
- 瞳 #-
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>真紅さん
初めまして~、こちらにも来てくださってありがとうございます♪
真紅さんの記事を読みながら、エリオとオリバーにたっぷり浸れて嬉しかったです。
>エリオの胸中が一人称で綴られている原作は、映画の解題になっていると思います。
そうでしたね!!
原作を読んで映画のシーンをひとつひとつ、思い出してました。そうするとまた映画が観たくなる~(笑)
『嵐が丘』ですよね!!
あぁ、大好きなんですよ、私。
初めて読んだ時からもうかなりの年月が過ぎましたが、何度読み返しても心動かされる作品です。
US版を!?おお~~!!
>監督の意向で、「続編に入れるから」らしいですよ!!!!
わぁーーー!!
それは続編、絶対お願いしたいですね。イイコト聞いちゃった(笑)
こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。
- 2018/08/20(Mon) 20:38:24 |
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- 瞳 #-
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何一つ忘れない。 愛し合いながらも、許されない未来を抱えた恋人たちの、ひと夏の関係を描いた物語。17歳の少年エリオの成長物語でもあり、モーリスを彷彿とさせる美しさと切なさに満ちていた。 17歳のエリオは、アメリカの大学教授の一人息子。オリヴァーは、エリオの父の教え子で、課程論文を執筆中のアメリカの大学生。彼らは、エリオ一家がひと夏を過ごす北イタリアの別荘で出会う。オリヴァーが父のアシスタント...
- 2018/08/18(Sat) 17:38:31 |
- 虎猫の気まぐれシネマ日記
CALL ME BY YOUR NAME
1983年、夏。北イタリアのどこか。17歳のエリオ(ティモシー・シャラメ)が両親とともに過ごす別荘に、一人のアメリカ人青年がやってくる。彼の名はオリヴァー(アーミー・ハマー)。大学教授であるエリオの父パールマン(マイケル・スタールバーグ)の助手として、6週間滞在するのだ。
オープンリー・ゲイであるルカ・グァダニー...
- 2018/08/19(Sun) 20:02:36 |
- 真紅のthinkingdays